主に片脚を切断した人がつえを使ってプレーする「アンプティサッカー」の日本代表、古城暁博さん(36)=千葉県富里市=ら3選手が8日、長崎県佐世保市ハウステンボス町の長崎国際大で講演し、競技の魅力を伝えた。交流戦では学生らと触れ合った。
障害者スポーツについて学んでもらおうと長崎国際大が企画。学生ら約50人が参加した。古城さんとチームメートの野間口圭介さん(46)=福岡県宇美町=と天川隼輝さん(32)=広島市=も訪れた。
古城さんは5歳のときに交通事故で片脚を失った。高校3年のときに、2000年シドニーパラリンピック陸上100メートルで8位入賞した。アンプティサッカーでは2014年と2018年のワールドカップに出場。2018年は主将を務めた。現在は公務員として働きながら普及に努めている。
講演のテーマは「障害はスポーツをする上で選手が乗り越えるべき壁なのか」。古城さんは「片脚が当たり前。可能性は広がっている。障害を壁と思ったことはない」と語った。長崎国際大国際観光学科スポーツツーリズムコース2年の佐藤涼平さん(20)は「障害で区別をしているのは健常者。選手はできることを伸ばし、サッカーを楽しんでいることが分かった」と話した。
交流戦は特別ルールで1チーム8人(本来7人制)で取り組み、3選手も参加した。学生らは2本のつえで体を支えながらのドリブルやシュートに悪戦苦闘。古城さんの鋭いシュートに驚いていた。同コース2年の榮門慎乃介さん(20)は「奇跡的にシュートが決まった」と笑顔を見せた。
古城さんは「アンプティサッカーの競技人口は全国で約100人。長崎県には一人もいない。興味がある人は参加してほしい」と呼び掛けている。