J1ラストゲームでゴールを決めたビジャ、引退セレモニーで天皇杯獲得を誓う

「このタイトルが、自分のサッカー選手としての最後の夢」

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 7日に行われた明治安田生命J1リーグ戦第34節、ヴィッセル神戸の今季J1最後のホームゲームは、今季限りでの現役引退を表明している元スペイン代表FWダビド・ビジャにとって特別な試合となった。

ビジャのパネルが設置されていた(写真:T.MAEDA)
ビジャの引退記念グッズ売り場は人だかりができていた(写真:T.MAEDA)

 この試合終了後には今季のファイナルセレモニーとともに、ビジャの引退セレモニーも行われるということで、試合当日はまさにビジャ一色に。ノエビアスタジアム神戸の場外では、ビジャの引退記念グッズ売り場に長蛇の列ができ、ビジャのパネルが置かれた撮影スポットではサポーターがひっきりなしに訪れて写真を収める姿も。場内では、ビジャのゲートフラッグが掲げられる姿も目立ち、世界屈指のゴレアドールの雄姿を一目見ようと、2万5千人以上のサポーターが詰めかけた。

ビジャを称えるゲートフラッグ(写真:T.MAEDA)
ビジャを称えるゲートフラッグ(写真:T.MAEDA)

 ゴール裏にビッグフラッグが登場し、バックスタンドに「7」のコレオグラフィが描かれたなか、この試合でも先発の一員となったビジャは、妻子とともにピッチに入場。来季のユニフォームを身にまとってJ1の舞台に立つというレアな光景も。

バックスタンドに描かれた「7」のコレオグラフィ(写真:T.MAEDA)
家族とともに写真におさまるビジャ(写真:T.MAEDA)

 試合では、まったく衰えを感じさせない、鋭い動き出しと、独特の駆け引きで、ジュビロ磐田の守備陣を翻弄。前半から相手ゴールを脅かし続けると、後半に入って75分、誰もが待っていた瞬間がやってくる。同僚のルーカス・ポドルスキが得たPKで、すぐにキッカーに名乗り出ると、落ち着いてゴール左隅にグラウンダーのシュートを突き刺した。ゴールセレブレーションは、ピッチサイドで声援を送っていた愛する家族のもとへ。場内は大歓声に包まれた。その3分後にもポドルスキとの連携から決定機に。シュートこそ相手GKに弾かれたが、そのリフレクションをポドルスキがヘッドで押し込み、この試合では2得点に絡むことに。83分間のプレーではまさにゴールハンターとしての貫禄を見せつけ、満場の拍手と大歓声を受けて、ピッチを後にした。

敵陣ゴール前へプレスをかけるビジャ(写真:T.MAEDA)
PKを決めて走り出すビジャ(写真:T.MAEDA)

 試合後、クラブのファイナルセレモニーに続いて行われたビジャの引退セレモニーでは、ビジャのこれまでの軌跡をビデオ映像で紹介後、クラブを代表して楽天ヴィッセル神戸株式会社の三木谷浩史代表取締役会長より記念品が、イニエスタからは神戸のビジャの7番入りユニフォームが、それぞれ贈られた。家族からの花束贈呈の際には、感極まるシーンも見られた。

 また、「ビジャフレンズ」からのメッセージ映像では、アンドレス・イニエスタ、セルジ・サンペール、山口蛍、古橋亨梧といったチームメイトに加え、シャビ・エルナンデスやイケル・カシージャス、ラウル・ゴンサレス、フェルナンド・トーレス、セスク・ファブレガス、セルヒオ・ブスケツら、スペイン代表や各所属チームでともにプレーした盟友たち、さらに、テニスプレーヤーのラファエル・ナダルら豪華なメンバーが登場。ビジャの偉大さを感じさせた。

 その後に行われたスピーチでは、「何よりも、ありがとうございますと言いたい」とサポーターに謝意を述べた、ビジャ。ピッチ中央に置かれたこれまで獲得してきた数々のタイトルのカップのなかで、ひとつだけ空白になっていた台を指し、「ひとつだけ空いている台がある。この(天皇杯の)タイトルが、自分のサッカー選手としての最後の夢。21日の準決勝、1月1日の決勝を必ず勝って、ここに天皇杯のタイトルを残していきたい」と、現役最後の舞台で、クラブ悲願の初タイトルを獲得することを改めて誓っていた。

 その直後には、チームメイトから胴上げされたビジャ。まるでライブ会場のような演出が施されたスタジアム内で、サポーターが照らす赤いライトが一斉に光り輝くなか、最後にチームメイトとともに場内を一周。サポーターからは彼を称える声援、拍手がいつまでも鳴りやまなかった。

セレモニーで並び立つビジャとイニエスタ(写真:T.MAEDA)
家族とともに場内をまわって声援に応えていたビジャ(写真:T.MAEDA)

以下は、ビジャの引退セレモニー、スピーチのコメント。

●ダビド・ビジャ選手

皆さんにかけたい言葉は本当にたくさんあります。でも、ひとつ選ぶとすれば、まず、何よりも、ありがとうございますと言いたい。本当に、自分を特別と思わせてくれるくらいよく扱ってくれて、家族のみんなを大事にしてもらいました。ここに来る挑戦というのは、本当に簡単な挑戦ではなかったのですが、皆さんのおかげで、素晴らしい時間を過ごすことができました。本当にこのクラブを構成するすべての人たちの温かい気持ち、応援の気持ちを感じることができました。ファンから始まり、三木谷会長、スタッフの皆さん、このクラブを構成するすべての人たちから気持ちを感じました。そのおかげで、自分は初日から気持ちよく全力でプレーすることができました。1年という短い間でしたが、素晴らしい時間を過ごすことができました。もちろん、チームメイトのみんな、監督、スタッフ、このクラブに関わるすべての人たちのことを忘れることはできません。皆さんのおかげで、家から遠く離れていますが、まるで家にいるような感覚で、日常を過ごすことができました。本当にこれは一生忘れません。本当に自分の友人のみんな、この1週間、特に、いろいろなサプライズで自分を驚かせ、喜ばせてくれて、それも一生忘れることはできません。本当に光栄なことに、自分のキャリアのなかで、ここにあるように、たくさんのタイトルを取ることができました。でも、見てもらうとわかると思いますが、ひとつだけ空いている台があります。このタイトルが、自分のサッカー選手としての最後の夢です。21日の準決勝、1月1日の決勝を必ず勝って、ここに天皇杯のタイトルを残していきたい。皆さん、今日は本当にこのような場を設けてくださり、どうもありがとうございました。今日のこの日の喜びをみんなで分かち合って、タイトルを獲得できればと思います。アリガトウ!