ダヴィンチ100症例超

室蘭・製鉄病院、臨床稼働9ヵ月で

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がんなど内視鏡手術支援ロボ

製鉄記念室蘭病院で実施されるダヴィンチ手術。11月には100症例を超えた=製鉄記念室蘭病院提供

 室蘭市の製鉄記念室蘭病院(前田征洋病院長)で実施された内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチXi」の手術件数が今年11月で100症例を超えた。患者の身体的な負担軽減にもつながるため、同病院では肺、直腸、前立腺、腎臓の各がんの手術に多く用いている。臨床稼働開始から約9カ月で100症例に達した-といい、同病院では「地域医療のさらなる充実につなげたい」とする。 

 ダヴィンチは米国で開発され国内では2009年(平成21年)に医療機器として承認。ロボットアームを備えた本体のほか遠隔操作台やモニター装置がある。同病院では昨年9月、胆振管内で初めて導入し今年3月から臨床稼働を始めた。

 一方、ダヴィンチ手術は、12年に前立腺がんの前立腺全摘術が保険適用になったのを皮切りに、18年には大腸、肺、膀胱(ぼうこう)がんなどの計12術式も追加。保険適用の拡大に合わせて、全国的にも症例数が増えている状況だ。

 このうち、同病院では肺、直腸、前立腺、腎臓の各がんに、縦隔(胸膜によって左右の肺の間に隔てられた部分)の腫瘍の計5項目の各術式で、ダヴィンチ手術を実施。11月21日に計100症例目(肺がん34、直腸がん16、前立腺がん36、腎臓がん10、縦隔腫瘍4)に達した。

 これまでの内視鏡手術では、腹部に開けた小さな穴に手術器具を差し込み、医師が患者のそばでモニターを確認しながら進めていたが、ダヴィンチでは医師がモニターを見ながらアームを遠隔操作し、手術器具の差し込みや患部の切除などを行う。

 さらにロボットアームは人間よりも可動域が広く、手ぶれ補正機能などもあるため、「より正確な手術が可能」(同病院)。さらに「ダヴィンチXi」では、手術画像が高画質で立体的な3Dハイビジョンで示され、人間の手の動きをより正確に再現できる特長があるため、「手術時間の短縮や患者の負担軽減、患部の機能温存などにつながる」(同)という。

 100症例について、同病院では「札幌圏で実施されていた治療が集中した」(前田病院長)などと分析。その上で「ダヴィンチ手術は西胆振医療圏の患者さんへのメリットも大きい。今後も変わらずに提供していきたい」(同)としている。
(松岡秀宜)

手術室1室増設

このほど増設された製鉄記念室蘭病院の手術室。計6室態勢となった

 製鉄記念室蘭病院(前田征洋病院長)はこのほど、手術室を1室増設した。増加し続ける手術件数に対応するためで、11月からは計6室態勢とした。「効果的に手術を実施できることで手術を待つ患者さんの助けにもなり、地域に密着した治療や療養環境が得られることにもつながる」(前田病院長)としている。

 同病院では、これまで計5室の手術室で対応。ただ、内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いた手術をはじめ、症例の多様化や循環器系や消化器系などで緊急手術が必要な患者増もあり「年間2500例を超える手術を実施していた」(同)という。

 このため、「6、7割でも高い」とされる手術室の稼働率については、ピーク時に9割を超過。手術室に空きが無い状態が続き、患者は札幌圏などの病院で手術を受けざるを得ない状況も生じていた。

 さらに、出産時の帝王切開をはじめ、循環器系や消化器系の緊急手術などに対応できない可能性も出てきたため、手術室の増設を決定、機材庫を転用した。

 手術室の増設は患者からみると、手術までの期間が短縮される効果もある格好だ。前田病院長は「より安心感を持って診療を受けていただける態勢となった。地域医療に一層貢献できれば」と話す。
(松岡秀宜)