エンゼルスがコザートを放出 コール獲得への布石か

日本時間12月11日、エンゼルスはベテラン内野手のザック・コザートと2019年ドラフト1巡目指名選手のウィル・ウィルソンを後日指名選手または金銭とのトレードでジャイアンツへ放出したことを発表した。コザートは1年1270万ドルの契約を残しているが、ジャイアンツはこの契約を引き受ける代わりに2019年ドラフト1巡目指名の有望株を得たことになる。今回のトレードはエンゼルスがゲリット・コールを獲得するための布石であると見られる。

現在34歳のコザートは、レッズ時代の2017年に打率.297、24本塁打、OPS.933の好成績をマークして同年オフに3年3800万ドルの好条件でエンゼルスに加入。しかし、エンゼルス加入後は左肩の故障に悩まされ続けており、2018年は58試合で打率.219、5本塁打、OPS.658、今季はさらに成績が悪化して38試合で打率.124、0本塁打、OPS.322に終わった。

年俸が3000万ドルをはるかに上回ることが確実視されるコールの獲得に向けて、エンゼルスは高額年俸のベテラン選手の放出を検討。今年のドラフト1巡目指名選手であるウィルソンの放出という犠牲を伴う形で、ジャイアンツへのコザートの放出に成功した。ウィルソンは今年のドラフトで全体15位指名を受けた21歳の遊撃手で、今季はルーキーリーグで46試合に出場して打率.275、5本塁打、18打点、OPS.768をマーク。遊撃手としては足が遅く、肩も平均的であることから、将来的な二塁転向を予想するスカウトもいる。

ジャイアンツへ移籍することになったコザートだが、三塁にはエバン・ロンゴリア、遊撃にはブランドン・クロフォードという不動のレギュラーがおり、二塁も今季好成績のドノバン・ソラーノと有望株のマウリシオ・デュボンが争う状況であるため、新天地の役割は不透明。場合によっては、来季の開幕を迎える前にリリースされる可能性もありそうだ。

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