明治期のハイカラ洋館 国重文「旧弘前偕行社」修復完了 無料挙式で限定1組募集中

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修復工事が完了した旧弘前偕行社(弘前厚生学院提供)

 老朽化に伴い2013年度から進められてきた国重要文化財「旧弘前偕行(かいこう)社」(青森県弘前市御幸町)の修復工事が完了、来春開館の見通しとなっている。建物を所有する弘前厚生学院は、学舎としての利用のほか、広く市民活動などの場としても公開する方針。記念の企画として、特別に使用料無料で、3月29日に結婚式を挙げるカップル1組を募集している。

 旧弘前偕行社はルネサンス様式を基調とした洋館で、旧陸軍第8師団の将校の社交場などとして使われた。明治期に青森銀行記念館(弘前市、国重文)や斜陽館(五所川原市、同)など多くの洋風建築を手がけた堀江佐吉が1907(明治40)年に完成させた。全国に残る偕行社の会館の中でも、土地建物が一体的に残っている貴重な遺構で、戦後は同学院の学舎などとして活用されてきた。

 工事は当初、2017年度の終了を見込んでいたが、建物の解体調査の結果、より忠実な復元や耐震補強のために追加工事が必要となり、今年までに計画変更となっていた。弘前市教育委員会によると、総工費は約11億円。今後、2月ごろまで冷暖房やトイレなどの整備を行い、すべての工事を終える見通し。

 同学院の大森寛事務局長は「学業の合間ということにはなるが、一時代を象徴する市民全体の財産という視点で、自由な発想でユニークベニュー(会合などの専用施設ではない特別な会場)として活用してもらえれば」と話している。使用料は1日10万円ほどになる見通し。

 周囲には、旧制弘前高校生時代の太宰治が下宿していた旧藤田家住宅(太宰治まなびの家)や、弘前大学構内の旧制弘前高校外国人宣教師館(弘大カフェ)などの文化財もあり、観光への相乗効果も期待されている。

 無料結婚式の申し込みは19日まで(前日消印有効)。22日に内覧会、応募多数の場合は25日に抽選会を行う。

 申し込みははがきに住所、氏名、電話番号を明記し、郵便番号036-8185、弘前市御幸町8の10、弘前厚生学院(電話0172-33-8358)へ。