競輪場金庫から930万円横領 小田原市職員を懲戒免職

市職員の横領について謝罪する加藤市長(中央)ら=11日午前、小田原市役所

 小田原市は11日、5カ月にわたり小田原競輪場(同市城山)の金庫から事業資金930万円を横領したとして、公営事業部事業課主任の男性職員(29)を懲戒免職処分にしたと発表した。資金は全額返還されているが、市は刑事告訴も検討する。処分は10日付。

 市によると、車券発売や払い戻しに使う資金管理などを担当していた職員は5月ごろから複数回、課内の金庫から平日払戻所の払戻機へ資金をセットする際などに現金を着服していた。

 金庫は競輪開催がない平日払戻用資金と、競輪開催日に開く早朝発売所の準備金などを保管。職員は平日払戻用資金から現金を抜き取り、不足分を準備金から補充して発覚を逃れようとしていた。準備金は委託業者が扱っており、月3回程度の部内チェックでは調べていなかったという。

 10月18日、内部の検査で資金紛失が発覚。小田原署に通報後の11月24日、職員が上司に名乗り出た。市の聴取に対し「市役所を辞めたいと思っていた」などと説明、着服金は主に競馬などに使っていたという。

 11日に会見した加藤憲一市長は「過去の不祥事から再発防止に取り組んできたが詰めの甘さがあった。倫理意識への取り組みが不十分だった」と謝罪。自らの管理責任として減給10分の3(1カ月)とする給与減額条例案を市議会に提出する意向を示した。時田光章副市長も給料10分の3(1カ月)を辞退、同部長以下3人を懲戒処分とした。

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