借金に陥るきっかけは“贅沢”が6割、「欲望に従う浪費」をやめるためには?

最近、「リボ払い」に苦しむ人々がネット上で話題となりました。「リボ地獄」とまで表現されていますが、リボ払いって年額15%の手数料がかかります。「リボ地獄」に陥った人に対してネットでは「子供じゃあるまいし後払いが借金だってことくらいわかるだろう」「リボとキャッシングは手を出しちゃいけねえ」などの声が並びます。


納得できる借金は?

人生で心がけておきたいのは、「とにかく借金はしない」ということです。知り合いや友人に借金をしたらかなりの確率でその関係性を失います(これについてはまた別の機会に)。業者から借りると余計な利子を支払うこととなります。

本当にヤバい状態というのは、高額の医療費がかかる時ですが、国民健康保険の優れた点は、いくら高額の治療を受けたとしても自己負担の最高額が8万円ほどで済む点です。実際の治療費が50万円かかったとして、そのカネぐらいはいい大人なんだから貯めておきましょうよ。

あとは奨学金については別の話なので、今回は、あくまでも「欲望」に従う借金についてです。リボ払いなんてものは欲望を満たすためのものですし、消費者金融にしても、毎月の給料が決まっている場合に手を出すベき類のものではない。

実入り以上にカネを使うことは愚か者、ということを考えなくてはいけないんです。サイト「債務整理の森」を運営しているポート株式会社が11月20日に全国の207人の男女を対象とした「債務整理に関するイメージ調査」によると、借金のきっかけは以下だといいます。「住宅ローン」と「自動車ローン」は恐らくここには含まれていないでしょう。

買い物:41.5%
奨学金:19.3%
ギャンブル:12.6%
夜遊び:5.3%
事業の失敗:3.9%
その他:17.4%

同調査の「男女別理由」には「生活費」「引っ越し費用」「医療費」が入っていましたが、これらが「その他」に含まれるのでしょう。

別の2016年の調査を見ると、以下が挙げられていました。

「失職/退職」、「結婚式」、「旅行直後」、「財布の紛失」、「帰省」、「衝動買い」、「倒産」、「遊び」

この中で私が納得できるのは「奨学金」「倒産」「事業の失敗」の3つしかないですね。「失職/退職」も気の毒ではありますが、次の仕事が見つかるまでの「つなぎ」としてせめて50万円ぐらいは貯めておきましょうよ。「宵越しのカネは持たねぇ!」なんて粋がっていてもそれでいて借金を頼まれる親や友人に迷惑をかけない方が大事だと思います。それ以外の一つ一つ、「喝!」を入れていきます。「医療費」については前述の通りです。

娯楽にお金をかけすぎない

【買い物】物欲はコントロールしましょう。今まで不要だったなら、これからもいらないんですよ。さすがに仕事をするのにPCは必要でしょうが、50万円稼ぐまでは3万円の中古を買うだけでいい。その他の買い物については「ブランド物のスーツ? そんなもんいらん! 友達から不要になったものをもらっちゃえ」「デジカメ? スマホについてるからそれでいい」「いい時計? スマホに時計なんかついてるからそれ使え」「高級ペン? 100円のペンでも十分書けるからそれ使え」となります。

【ギャンブル】胴元が儲かる仕組みになっているのだから、やめなさい。娯楽として月にいくらまで、と決めるのならまだしも、借金をしてまでやるものではありません。私は競輪をやりますが、月に1万円、と決めています。

【夜遊び】これは飲み会、キャバクラ、風俗の3つと考えますが、あくまでも娯楽で、これらをやらなくては死ぬわけではないので、借金をしてまでやる必要はありません。誰かから誘われたとしても「オレ、カネないから無理」の一言を言う勇気を持ちましょう。

【結婚式】盛大に祝ってもらいたい気持ちはあることと、祝儀はもらえるからプラスにはなる、という言い分はあります。しかし、レンタル衣装やらメイクなどの費用もかかります。全体で考えると100万円ぐらいの持ち出しは発生するのではないでしょうか。萩生田光一氏ではありませんが、「身の丈」にこれは合わせなくてはいけない。お金がない2人なのであれば、ホテルの大部屋で高級フレンチ! 巨大ケーキも準備! みたいなものではなく、会費制でなじみの居酒屋を貸し切って宴会をすればいいんです。2人を祝いたい大切な人々は、別に着飾りたいわけでもなければ、高級フレンチが食べたいわけでもありません。

【旅行直後】これも一体何ですか? どうせ「思い出作り」のために高額なアクティビティをしたり、「たまにはパーッと」とビジネスクラスに乗ってしまったりしたのでしょ? ビジネスクラス以上の人が使える航空会社の「ラウンジ」でドヤ顔を決めながらカレーを食う姿をFacebookに投稿したかっただけでしょ? あとは、物価の高い、ヨーロッパの先進国はかなりキツい。イタリアなんか、ランチにピザ1枚とビール2本頼んだら4,000円します。ならば、フランス、イギリス、スペインあたりは避け、ヨーロッパに行くにしてもチェコやハンガリーにする。あるいは東南アジアや香港、中国、韓国など近場で物価が安い国にする、などでいいのではないでしょうか。

財布に入れる額を決めておく

【財布の紛失】これが借金の理由になる意味が本当に分かりません。キャッシュカードやクレジットカードは落としたらすぐに止めればいいですし、現金だって3万円以上は持たない、と決めておけばいいんです。仮に10万円入れていたとしても、財布に入れておくべき額は「貯金の20分の1」ぐらいでいいのではないでしょうか。それを失ったら借金せざるを得ない程の金額を財布に入れておく必要はありません。紛失リスクと無駄遣いリスク、両方を抱えてしまうこととなります。

【帰省】お金がないなら諦めましょう。親やきょうだいとは会いたいとは思うものの、どうせ学生時代までは毎日会っていた存在じゃないですか。余計なケンカも発生するかもしれないですし、大人になったら「家族元気で疎遠がいい」で十分です。

【衝動買い】これはあり得ない。「衝動」でアクションをすることほど危険なことはありません。「衝動」なのになんでそれにあたって「借金」という冷静な行動ができるのかが不思議でなりません。

【遊び】これも我慢しましょう。

いずれも「なくても困らない」「分不相応だ」と思うことによって回避できる借金です。借金をしない最大の防御方法は、当連載で散々述べてきた「見栄を張らない」に行きつきます。見栄を張らないで良い人生を送るには、他人から実績を認められることがもっとも大事です。そうすれば、高級品で身を飾る必要もありませんし、特別な体験をSNSで公開し、「いいね!」をたくさんもらおうとする欲求もなくなることでしょう。

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