最下位オリックスの戦力整理 超大物MLB282発ジョーンズ獲得で課題の打線に厚み

オリックスが獲得を発表したアダム・ジョーンズ(右)【写真提供:オリックス・バファローズ】

マイナー通算174本塁打、ロドリゲスの獲得が濃厚も目立った補強はここまでなし

 今季は3年ぶりの最下位、5年連続のBクラスに終わったオリックス。西村徳文新監督で挑み交流戦こそ2位と奮起したが屈辱のシーズンとなった。侍ジャパンにも選出された山岡泰輔、山本由伸、吉田正尚が“チームの顔”として結果を残したが若手の台頭が急務となっている。

 今オフはこれまで大きな動きはなく、現有戦力の強化で来季も戦国パ・リーグを戦うことになりそうだ。ドラフトでは野球日本代表「侍ジャパン」高校代表などで活躍した宮城大弥投手(興南)を1位指名。2位でも紅林弘太郎内野手(駿河総合)と将来性のある高校生を獲得。

 最下位からの巻き返しへ超大物助っ人の獲得に成功した。ダイヤモンドバックスからフリーエージェントになっていたメジャー通算282発のアダム・ジョーンズ外野手の獲得を発表。福良GMも「バリバリのメジャーリーガーを取れて。球団としても自分としても、ちょっと興奮しています」と語るほど。さらにパドレス傘下3Aのマイナー通算174本塁打のアデルリン・ロドリゲス内野手の獲得も濃厚。課題だった打線に厚みが増すことになりそうだ。

 一方でロメロ、マレーロ、メネセス、エップラーは自由契約となりベテランの岸田護投手が現役を引退、成瀬善久投手、塚原頌平投手は戦力外となった。

 ここでは今季で引退、戦力外となった選手の実績などを振り返ってみよう。

岸田は現役を引退し2軍投手コーチ、鈴木は戦力外も2軍野手コーチ補佐に就任

○岸田護投手(現役引退)
 オリックス一筋14年のベテランは先発、中継ぎとしてチームを支え通算443試合に登板し44勝30敗、63セーブ、63ホールド、防御率2.99を記録。2軍投手コーチとして若手投手の育成に力を注ぐ。

○成瀬善久投手(戦力外)
 ロッテ、ヤクルトを経てテスト入団で加入した今季は6試合に登板し0勝1敗、防御率7.32と結果を残せずオフに戦力外。BCリーグ栃木で選手兼任コーチとして現役を続ける。

○塚原頌平投手(戦力外)
 これまで3度目の右肘手術を経験し昨オフに育成契約となったが復活ならず。16年には自己最多の54試合に登板し監督推薦でオールスターにも出場した右腕はトライアウトを受けず現役引退。

○タイラー・エップラー投手(自由契約)
 来日1年目の今季は24試合に登板し4勝4敗、防御率4.02。先発、リリーフとして一定の成績を残したが保留者名簿から外れ退団が濃厚。

○ステフェン・ロメロ外野手(自由契約)
 来日3年目の今季は81試合に出場し打率.305、18本塁打、63打点。度重なるケガで1シーズンを“完走”したことがなく来季は3年契約、最終年のオプションだったが自由契約に。

○クリス・マレーロ内野手(自由契約)
 ロメロと同じく来日3年目。今季は43試合の出場に終わり打率.211、2本塁打、14打点と目立った活躍はできず退団が濃厚。

○ジョーイ・メネセス内野手(自由契約)
 4番候補として期待されたが29試合に出場し、打率.206、4本塁打、14打点。ドーピング違反で1年間の出場停止処分を受けチームから契約を解除された。

○岩本輝投手(戦力外)
 16年に阪神から戦力外となりBC福井でプレー。18年途中にNPBに復帰した右腕は今季9試合に登板し0勝2敗、1ホールド、防御率14.73。

○青山大紀投手(戦力外)
 2015年ドラフト4位で入団も通算5試合の登板に終わり0勝1敗、防御率6.30。今季は1軍登板はなくオフに戦力外を受けた。

○宮崎祐樹外野手(戦力外)
 パンチ力のある打撃を武器に通算234試合に出場し打率.240、8本塁打、48打点。今季は15試合の出場に終わりオフに戦力外。

○鈴木昂平内野手(戦力外)
 プロ4年目の今季は昨季を上回る58試合に出場し打率.227の成績を残したが戦力外となり、2軍の野手コーチ補佐に就任した。(Full-Count編集部)

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