ツキノワグマ出没件数350件超 有害鳥獣対策で緊急要望

有害鳥獣対策の拡充を求める5市町村の首長ら=県庁(厚木市提供)

 ツキノワグマの出没件数が過去最多を更新する中、厚木など5市町村は9日、ツキノワグマやイノシシといった有害鳥獣の対策を拡充するよう、知事宛てに緊急要望した。

 神奈川県内でのツキノワグマの出没件数は11月末時点で353件。うち厚木、秦野、伊勢原、愛川、清川の5市町村が7割を占める。

 要望書で、「(捕獲器の不足など)同時に複数箇所で対応する環境が整っておらず、迅速な捕獲に支障をきたしている」と指摘。ツキノワグマ対策として、▽最新の生息数の把握や実態に即した生息地の管理▽地域ごとに専門の知識や技術を持つ正規職員を配置するなど「かながわ鳥獣被害対策支援センタ-」の体制拡充▽捕獲用機材や民間事業者を含めた体制の整備や予算措置─などを挙げた。

 一方、イノシシ対策では、新たな捕獲手法の研究・確立や捕獲体制強化を求めた。

 5市町村でつくる連絡会は「人身被害が起きる前に、現場の切迫性を理解してもらいたい」と説明している。

© 株式会社神奈川新聞社