激闘、医師ら支える 世界女子ハンド医療チーム責任者・佐久間さん(熊本市)

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パークドーム熊本の医務室で打ち合わせをする大会医療責任者の佐久間克彦さん(左)=熊本市東区

 女子ハンドボール世界選手権の会場で選手や観客に異変がないか見守る医療チーム。その責任者を務める熊本市の整形外科医、佐久間克彦さん(59)=上代成城病院勤務=は「皆さんが無事であるように」と医務室やコートサイドでスタッフを指揮する。

 佐久間さんは1997年の熊本での男子ハンドボール世界選手権に携わったのを機に、同年から2012年まで女子日本代表のチームドクターを担当。現在も日本ハンドボール協会の医事科学担当参事を務める。

 チームドクターになった当初は「違和感があっても『根性で乗り切る』と体のケアをしない選手が多かった。ストレッチやテーピングを教え、定着するまで10年かかった」と振り返る。

 ハンドボールはパス回しが速く、接触プレーが激しいため、捻挫や脱臼、靱帯[じんたい]損傷が多い。元ラガーマンの佐久間さんは「特に脳振とうなど頭部の負傷は治療が遅れると重い障害が残る危険がある」と最大限に目を光らす。

 4年前からチームスタッフを募り、今大会は整形外科医をはじめ、歯科医や看護師、理学療法士らが各試合に10人ほど待機する。これまで選手が眼窩[がんか]底骨折や鼻骨骨折、肩の脱臼などを負い、病院に搬送されるケースもあった。11月30日に開幕した大会は最終盤に入り、「選手のぶつかり合いが激しさを増し、疲労も出るのでけがをしやすくなる」と15日の最終日まで気が抜けない日々だ。

 医療系の専門学校生らも担架スタッフの一員として奮闘中で、「今回をきっかけにスポーツ関係の医療を志す若者が増え、彼らが活躍できる場も広がってほしい」。選手を支えるため先頭を走り続けてきたスポーツドクターの切なる願いだ。(文化生活部・豊田宏美)

(2019年12月12日付 熊本日日新聞朝刊掲載)