台湾の妖怪が熱い! お化け好きのバイブル『怪と幽』が贈る、台湾旅行のついでに立ち寄りたい妖怪スポット!

お化け好きに贈るエンターテインメント・マガジン『怪と幽』vol.003を発売した。2019年4月に、 世界で唯一の妖怪マガジン『怪』と日本初の怪談専門誌『幽』が融合し、 新創刊した『怪と幽』。 創刊第2号では、 『ムー』編集部とコラボした「ムーと怪と幽」特集が大好評を博した。第3号となる本誌では、 日本でもグルメに観光に大人気の「台湾」の妖怪ムーブメントを大特集。

※「怪と幽」vol.003の特集「妖怪天国台湾」より、 台湾在住のイラストレーター小G瑋さんによる「台湾妖怪紳士録」と「旅行のついでに立ち寄りたい 台湾の妖怪伝説地」(村上健司さん/文・写真)の一部をご紹介。

清朝統治時代の一八五四年、 台北の艋舺あたりにペストが大流行し、 多くの人が苦しむことになった。 ペストの流行は古井戸にすむ蝦蟇妖怪(蟾蜍精)の仕業とされ、 清国福建省出身の人々が自分たちの故郷から青山王なる神を勧請したところ、 流行病が治まった。 人々は青山王が毒霧を吐く蝦蟇妖怪を退治してくれたとして、 正式に青山王を祀ったのが艋舺青山宮のはじまりなのだという。

あるいは、 清国福建省の漁師たちが、 泉州恵安にある青山宮から青山王の神像を持ってきたとき、 今の青山宮があるところで突然動かせなくなったので、 ここが気に入ったものとみて廟を造ったのがはじまりともいわれている。

霊安尊王ともよばれる青山王は、 三国時代の孫権の将軍だった張滾を神格化したものといわれ(別説もあり)、 法を司り、 善悪を見分ける神である他、 流行病を鎮める力を有するという。 そのため、 台湾に移り住んだ人たちが、 流行病が蔓延する台湾に持ち込んで信仰するに至ったのだろう。

また、 伝説によれば、 この廟の下には蝦蟇妖怪がすんでいたという古井戸があるそうだが、 その場所を知る者は誰もいないということである。

艋舺青山宮に限らず、 町のあちこちにある廟を覗くと、 台湾の人たちの信仰のあり方がよく観察できてとても興味深い。 外国人の観光客が多いからか、 ふらりと立ち寄っても咎められるようなことはなく、 大らかな感じである。 もし台湾に行く予定があるなら、 廟でのお参りの作法を少し調べてから行くことをオススメしたい。 何も知らないで訪ねるよりきっと面白い発見があるはずだ。

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