【全身1万円以下】ワークマンのハイクコーデで登山してみたら、期待以上の実力派だった! ここのところ頻繁に目にするワークマン関連のニュース。 キーワードは安価で高品質+オシャレさも?! 作業服だけにとどまらず、アウトドア向けやスポーツ向け、はたまた最近では「ワークマン女子」なるトレンドワードも。 そんなワークマンがプロデュースするアウトドア&スポーツ向けウェアは、はたして登山でも活躍するのか? 全身ワークマンウェアに身を包みいざ山へ!

今、大注目の<ワークマン>へ! 登山で使えるウェアを探せ

関連ニュースを毎日のように目にし、近頃注目度がとっても高いワークマン。ファッション性の高いアウトドアウェアやスポーツウェアへの異業種展開など、従来の作業服専門店のイメージから脱しつつあります。2019年11月末での店舗数は855店舗におよび、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。

世のお洒落トレンドに鈍感な私も「安価で高品質」というキーワードには敏感。 初めてのワークマンへ、その第一歩を踏み出してみました。

驚愕コスパ、店頭で受けたカルチャーショック!

(アウトドア・スポーツ向けの商品に特化しているのが『ワークマンプラス』)

ワークマンは基本的に「プロの職人」に向けた作業服を取り扱うお店。作業服は、当然ながら快適な環境下で着られることは少なく、その耐久性や機能面など、通常のウェア以上の性能が要求されます。

反面、ファッション性は二の次であることが一般的ですが、作業服の性能にデザイン性をプラスしたところ、職人以外への広がりをみせたのがワークマンの製品。そして一般ユーザーの意見を拾い上げ誕生したのが3つのプライベートブランド (以下PB)、「Find-Out」「FieldCore」「AEGIS」です。

そして、これらPBのそれぞれのコンセプトは以下。

実際に店舗にて登山で使えそうなウェアを調査してみたところ、驚きの連続。「デザインがイケてる」「生地感・質感が良い」そして「激安」と、軽いカルチャーショックを覚えました。

結局、税込み「9,600円」で全身の秋冬ウェアが揃ってしまったのです!

計4点、上下コーディネートで1万円以下とは…さすが『値札を見ずに買える店』と言われるだけあります。

とは言え、見た目だけで登山で使えるかどうかの判断は尚早というもの。動きを妨げたりしないストレッチ性や汗抜け、着心地などを確認しなくては。

激安 9,600円オトコ、いざ山へ!

向かった先は、鈴鹿山脈の最北に位置するカレンフェルトが美しい名山・霊仙山 (りょうぜんざん)。標高1,094mの里山です。本格的に冷え込みはじめた11月某日、フィールドテストに行ってきました。

細身ブラックコーデでシャープな印象

今回は、ブラックをベースにコーディネート。基本的にデザインが細身のため、シャープでスポーティな雰囲気に仕上がりました。フフ、まさか誰も全身9,600円の激安オトコとは思わないでしょう!

以下、今回選定したウェア。

それでは、各ウェアの商品概要とインプレッションを見ていきましょう!

【1】オススメ度:★★★★☆|着心地バツグンの快適ロンT

サイクリスト向けに開発された新商品。裏起毛になっており、肌触りが良く暖か。ストレッチ性にも優れ、とても快適な着心地です。ウェブ販売はなく店頭販売のみ。後ろ側が長めに設計されているので、ハイク中のずり上がりで腰が出にくいのも◎。背面にファスナーポケットが2つ付いています。

ストレスフリーなストレッチ性、速乾性も◎!

この日は晴天となり、さすがに登りや直射日光に晒されるところでは汗だく。でも、登山用インナー下着の上にレイヤリングしたこのハーフジップの長袖Tシャツは、オール化繊のため汗でのべたつき感や汗冷えすることもなく、とても快適でした。

また、袖にはサムホールがついているので、袖先からすき間風が吹き込んできません。サムホールがないと、手袋をしていても風が入り結構冷えますからね。これは本当にありがたいです。

【2】オススメ度:★★★☆☆|着倒せる“激安軽量”防寒ベスト

2019年モデルはリニューアルされ、アルミプリントの厚さがこれまでの2倍になり保温力UPとのこと。また、180gと軽量でコンパクトに収納できることも嬉しいポイントです。

体幹を冷やさない頼れる保温力!

山頂での停滞時は急速に身体が冷えてきますが、裏側にプリントされたアルミが体温を内側に反射するため保温効果があり、なかなかのスグレモノ。中綿含めオール化繊のため、汗をかいた状態で着用しても、化繊の透湿性により生地外側へとモイスチャーを逃がしていくようです。

また、お手入れもダウンより扱いが楽。洗濯は手洗いとなっていますが、前ボタンをすべて閉じ、内側に折り畳んでネットに入れ、洗濯機の手洗いモードでもう5回ほど洗っていますが特に問題なし。洗うのが面倒だと着倒せないですからね。
※洗濯表示以外の方法での取り扱いは、自己責任となります。

【3】オススメ度:★★★★☆|街でも映える多機能ジャケット

サイクリスト向けに開発された商品。背面裾にミニポケットやファスナーポケットが5つ設けられており、小物収納に活躍。背中にベンチレーションのためのギルスリットが複数入っていますが、行動中はザックを背負うため、風が入り寒いと感じることはないでしょう。シルエットがキレイなのがまた嬉しいです。

行動中にあると嬉しい機能が満載!

ソフトシェルとして選んだこのジャケット、襟元にフードが収納されており、さらに袖口にはサムホールも。また、裾の内側に滑り止めテープがぐるりと付いているのも嬉しい機能性です。

ごわつかないしなやかな作りで、防風性と蒸れにくさのバランスが◎。もちろんオール化繊です。タウンユースできるデザイン性もいいですね。

ただし、あくまでサイクリスト向け設計のため、収納フードは空気抵抗の少ないスピードスケーターのような作りになっており、山での強風時の防風フードとしては不充分です。

【4】オススメ度:★★★★★×2|この冬買うべき最強パンツ

裏地がマイクロフリースとなっているこのパンツ、寒い日でも脚を通した瞬間から暖かく、しかもストレッチ性抜群。肌触り、穿き心地ともに素晴らしく、撥水加工生地のため少々の水なら弾きます。

さらに左右フロントに4つの止水ジッパーポケット+カラビナループも! さすが「ウォームクライミングパンツ」の商品名をうたっているだけあります。

機能性+上質な肌触りと穿き心地が優秀!

いずれの商品も「この品質をこの低価格で?!」というものばかりだったのですが、もっとも驚きなのがこのパンツです。穿き心地、生地の質感・肌触り、ストレッチ性、機能性、デザイン性、すべてにおいて高レベルで、わずか2,900円という驚愕の低価格!

低山・里山のアウターパンツとしてはもとより、雪山ハイクのインナーパンツとしても大活躍しそう。とにかくこちらオススメです。作業服で培った同社の機能性ノウハウが惜しみなく盛り込んであると感じました。店頭で見つけたらマストバイです!

使えすぎて困っちゃうワークマン!

想像をはるかに超える満足度でワークマンデビューを飾った筆者。良い良いとは聞いていましたが、まさかここまで良いとは思ってもみませんでした。

もちろん、登山専用に設計・販売されているわけではありませんので、いかなる環境でも太鼓判というわけではありませんが、山の程度をきちんと選べば充分過ぎる性能。登山を始めてみたいけど登山ウェアは高いし…という人や、ヘビロテで着倒したいという人にも本当に嬉しいコスパです。

ただし今回、インナー下着は登山用のものを使用していますので、その点ご留意ください。

双方のものを上手に活用できれば、最高のコスパになること間違いなしです!

それでは皆さま、どうぞ良いハイクを!

撮影 M. Ueba
モデル・文 三宅 雅也(山岳ライター/長野県自然保護レンジャー)

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