矢野政権1年目・阪神の戦力整理 メッセ、鳥谷がチーム去る、MLB92発のボーア獲得へ

今季限りで阪神を退団する鳥谷敬【写真:荒川祐史】

長年チームを支えた投打の主力・メッセンジャー、鳥谷がチームを去る

 シーズン終盤に怒涛の追い上げを見せ昨年最下位からリーグ3位(69勝68敗6分け)となった阪神。クライマックスシリーズではファーストステージでDeNAを破ったが、ファイナルステージで巨人に敗れ日本シリーズ進出ならず。

 オフシーズンに入るとエンゼルスからFAとなっていたジャスティン・ボーア内野手と基本合意。メジャー通算92発の長距離砲は来季4番として期待がかかる。来日1年目の今季は4番を務めるなど105試合に出場し打率.284、12本塁打49打点をマークしたジェフリー・マルテ内野手とも選手契約を締結した。

 ドラフトでは1位の西純也投手(創志学園)、2位に井上広大外野手(履正社)、3位に及川雅貴投手(横浜)など8人中5人が高校生という将来性重視の指名を行った。

 一方で長年チームを支えてきたランディ・メッセンジャー投手が現役を引退し、ベテランの鳥谷敬内野手が退団するなど新時代に突入する気配を見せている。ここでは今季で引退、戦力外となった選手たちの実績などを振り返ってみよう。

メッセンジャーはNPB通算98勝をマークするなど長きにわたり活躍

○ランディー・メッセンジャー投手(現役引退)

 2010年に加入し7度の2桁勝利をマークするなど通算262試合、98勝84敗、防御率3.13とチームの先発陣の中心として活躍。今季は肩の怪我に悩み3勝7敗と思った成績を残すことができず本人が引退を申し出ることに。日本通算100勝まであと2勝に迫っていた。

○鳥谷敬内野手(退団)

 2003年のドラフトで自由枠で阪神に入団。1年目から遊撃のレギュラーとして活躍し通算2169試合に出場し打率.280、138本塁打、822打点を記録。ベストナイン6回、5度のゴールデングラブ賞と人気、実力共に長きにわたりチームを支えた。チームを退団し現役続行を目指している。

○高橋聡文投手(現役引退)

 2001年ドラフト8位で中日に入団し中継ぎとして活躍すると2015年オフにはFA宣言で阪神へ移籍。通算532試合に登板し26勝15敗、141ホールド、2セーブ、防御率3.25。

○横田慎太郎外野手(現役引退)

 2013年のドラフト2位で阪神に入団。2016年には開幕戦で「2番・中堅」でスタメンし1軍デビュー。38試合に出場し打率.190、0本塁打、4打点をマーク。だが、2017年に脳腫瘍が発覚し手術を行い復帰を目指したが1軍復帰はならず、自ら引退を申し入れた。

○岡本洋介投手(戦力外)

 2009年にドラフト6位で西武に入団。2018年にトレードで阪神に移籍し同年は34試合に登板したが今季は3試合の登板に終わりオフに戦力外。通算162試合に登板し14勝16敗、14ホールド、1セーブ、防御率4.73。

○歳内宏明投手(戦力外)

 2011年ドラフト2位で入団。1年目から1軍デビューを果たしたが2016年を最後に1軍はなくオフに戦力外。通算57試合に登板し2勝4敗、4ホールド、防御率4.15。

○小宮山慎二捕手(戦力外)

 2005年にドラフト5位で入団。12年には72試合に出場もレギュラー定着ならず16年を最後に1軍出場はなかった。通算149試合に出場し打率.164、1本塁打、8打点。

来日1年目のジョンソンは58試合の登板で2勝3敗、防御率1.38とリリーフエースとして大活躍も去就は…

○山崎憲晴内野手(戦力外)

 17年にDeNAから戦力外を受け12球団合同トライアウトを経て阪神に移籍。18年には32試合に出場したが今季は2試合の出場に終わりオフに2度目の戦力外を受けた。通算446試合出場、打率.218、6本塁打58打点。

○森越祐人内野手(戦力外→西武移籍)

 14年に中日を戦力外となり同年オフに阪神に移籍。17年には自己最多の29試合に出場も年々出番が減少し今季は1軍出場なくオフに2年目の戦力外を受けた。12球団トライアウトを受け西武が獲得を発表した。

○ラファエル・ドリス投手(自由契約)

 今季は56試合の登板で5勝4敗、19セーブ、防御率2.11をマーク。来日4年間で96セーブを挙げ守護神としてチームを支えたがオフに保留者名簿から外れた。

○ピアース・ジョンソン投手(自由契約)

 来日1年目の今季、58試合の登板で2勝3敗、防御率1.38とリリーフエースとして大活躍。メジャー復帰も視野に入れており保留者名簿から外れることになった。

○エフレン・ナバーロ内野手(自由契約)

 18年シーズン途中に加入し同年は66試合に出場し打率.276、3本塁打、25打点をマークし残留。だが、今季はわずか15試合の出場に終わり保留者名簿から外れた。

○ヤンハービス・ソラーテ内野手(退団)

 今シーズン途中に加入したが2軍調整中だった9月にモチベーションの低下で1軍合流を拒否、そのまま退団が決まり帰国。通算20試合に出場し打率.188、4本塁打、9打点(Full-Count編集部)

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