NZ火山噴火、死者8人に 再噴火の恐れの中、遺体回収へ

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ニュージーランド北部ホワイト島の噴火で、重度のやけどを負い入院していたオーストラリア人の兄弟2人が死亡し、死者は8人となった。警察は12日、さらなる噴火の危険はあるものの、行方不明者の遺体の回収作業を13日朝に行う方針と発表した。

死亡したのは、マシュー・ホランダーさん(13)、ベレンドさん(16)兄弟。2人が通っていた学校側が12日に明らかにした。

9日午後2時11分に発生したホワイト島の噴火では、発生当時、観光客47人が噴火口付近にいた。これまでに8人の死亡が確認され、20人が重度のやけどを負って集中治療を受けている。

氏名公表の不明者9人は「一部」

警察は9人の行方不明者の氏名と国籍を公表した。全員の生存が絶望視されている。オーストラリア人が7人、ニュージーランド人が2人。

ただ、まだ親族に連絡が取れず公表できない行方不明者がいるとし、公表した9人は一部だとしている。

地質学的な危険の可能性をモニターするウエブサイト「GeoNet」は12日、今後24時間以内にさらなる噴火が起こる確率は50~60%だと発表した。

警察は、犠牲者の家族から遺体の回収を「切望」する声が日に日に高まっていると説明。さらなる噴火が起こる危険性があるものの、遺体の「回収作業を迅速に」進める方針という。

スコット・モリソン豪首相は12日、ほかにも複数のオーストラリア人が行方不明になっており、死亡している可能性があるとした上で、「今後数日の間に、もっと悪い知らせがあるだろう」と述べた。

ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は11日、記者団に対し、「捜索活動に携わる多くの人と話をした。彼らは、現場に入ることを非常に非常に切望している。犠牲者を家族のもとに連れていきたいと」と述べた。

早急な遺体回収は

ニュージーランド警察のマイク・クレメント副総監は12日の記者会見で、警察は危険が伴う活動にむけて複数の選択肢を検討していると述べた。

通常の遺体回収作業では、警察はすべての遺体の適切な身元確認を確実にするだけの証拠を、十分な時間をかけて現場で収集する。

クレメント氏は、遺体をより早期に回収することには犠牲が伴うと説明。

「犠牲者の近親者は、我々がこうした手順を踏んで犠牲者の身元を証明するものを回収しなければ、喜ばないだろうということを、私は理解している」と述べた。

当局は、島にドローンを飛ばし、有毒ガスのレベルの測定を試みている。

13日に予定されている遺体回収活動が、従来のスピード感で行われるのか、より迅速に行われるのかは不明。

移植用の皮膚を発注

ニュージーランドのスチュアート・ナッシュ警察相は、生存者のやけどの状況について、一部の人は身元確認が困難なほど重傷だと説明した。

「会話ができない状況の負傷者が多数入院している。皮膚だけでなく内臓にも深刻なやけどを負っている」

ニュージーランドの熱傷治療専門機関のピーター・ワトソン主席医務官は、患者の皮膚移植には推定120万平方メートル分の皮膚が必要だと述べた。一部はアメリカに発注されたという。

ワトソン氏によると、複数の患者は、集中治療を行えるオーストラリア国防軍の軍用機を使って、オーストラリアの医療機関に搬送されるという。


マオリ族の「ラフイ」

ニュージーランドの先住民マオリ族のグループは、「ラフイ」と呼ばれる儀式的な慣習を10日に開始した。

これは、死亡事故が発生した際や、天然資源の保護のためにするもの。法的効力はないものの、一般的にニュージーランド人はその意味合いを尊重するという。

今回の「ラフイ」では、遺体回収チーム以外によるホワイト島への立ち入りと、周辺海域での漁が禁止される。遺体が回収され次第、「ラフイ」は終了するという。

ホワイト島はマオリ族から「ワカアリ」と呼ばれ、先住民ンガティ・アワ族にとって神聖な場所。

(英語記事 NZ police to recover volcano bodies on Friday/New Zealand volcano death toll rises to eight