12月13日付

 国富町の本庄川に「アバ漁」の拠点となるアバ小屋が4年ぶりに復活した。アバ漁は小屋を隠れみのにしてアユなどを網ですくう漁法で、同町では昭和30年代まで盛んに行われた。今回、伝統的な風景を残そうと、町商工会青年部員の有志が、小屋の作り方を知る垣原利彦さん(81)に教わって2棟を作った。幅約80メートルの川底にくいを打ち込み、岸で切り出したヨシを水に漬かりながら運ぶなど大変な手間がかかる。4年前までは垣原さん1人で作業していたというから、そのパワーに驚くばかりだ。完成した小屋を眺め、「頼もしい後継者が現れてよかった」と笑顔を見せた垣原さん。今年は始動が遅くアユを捕ることはかなわなかったが、来年は皆さんで秋の味覚を楽しんでもらいたい。

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