ピースミュージアムで企画展 被爆画家松添さんしのぶ

松添さんの遺作などを展示した企画展=長崎市、ナガサキピースミュージアム

 長崎原爆の犠牲になった少女を題材にした絵本「ふりそでの少女」の作者で、被爆の語り部として核廃絶を訴え続けた松添博さん=2014年に83歳で死去=の遺作などを紹介した企画展が、長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアムで開かれている。25日まで。
 松添さんは14歳の時、爆心地から約3.8キロの自宅で被爆。晩年は咽頭がんで声帯を失いながらも語り部を続けた。
 企画展は県市町村職員年金者連盟長崎支部が、同市職員だった松添さんらへの追悼を込めて企画。松添さんや、松添さんのかつての同僚ら故人5人を含む23人の絵画など計36点を展示している。
 このうち、松添さんの遺作は、水彩画や自らの被爆体験などを表現した絵巻物、戦後50年の節目に合わせて描いた絵はがきを展示。元同僚らが自身の戦争体験を題材に手掛けた水彩画や油絵なども展示している。
 同支部長の川上正徳さん(76)は「戦争を実際に体験した人たちの作品は、歴史的に重要な資料でもある。ぜひ見てほしい」と話した。

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