【消費増税倒産第1号】(有)幸町スーパーマーケット(高知市)が破産、キャッシュレス決済増加も資金繰りに影響

 (有)幸町スーパーマーケツト(TSR企業コード:830126155、法人番号:8490002001824、高知市幸町5-11、設立1972(昭和47)年6月、資本金410万円、高尾めぐみ社長、従業員20名)は12月2日、高知地裁に破産を申請し12月3日、破産開始決定を受けた。破産管財人には中川嶺弁護士(中川嶺法律事務所、同市上町1-4-23、電話088-879-6156)が選任された。
 負債総額は約9800万円。
 10月1日の消費税率引き上げに伴う倒産では全国で初めて。

 1962年に酒店として創業し、徐々に販売品目を拡充してスーパーマーケットへと転換。本社同所に店舗を構え、地域密着型の営業を展開していた。一時、全高知スーパーチェーンに加盟していたが、その後、脱退して生鮮スーパーマーケットとして独自の路線を歩み、1999年5月期にはピークとなる売上高約5億2000万円を計上した。
 しかし、近隣への大手スーパーマーケットの進出やコンビニエンスストア、ディスカウントストアの台頭、さらに近年はドラッグストアのスーパーマーケット化等により競合が激化。2014年5月期には売上高が3億円を割り込み、2015年5月期以降は赤字が続いていた。
 2019年6月には前社長が死亡し、現社長が就任。以降も地域に密着した経営を続けていたが業況は上向かず、10月の消費増税に伴う軽減税率対応の新規レジ購入等の設備投資が負担になっていた。
 さらに、電子マネーの普及による現金化のタイムラグから手元資金が想定以上に乏しくなり、資金繰りが悪化。支払いのめどが立たなくなり、事業継続を断念した。

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