鶴見で「ワイドスペースバス」運行へ 川崎鶴見臨港バス

中扉付近の4人分の座席を撤去したワイドスペースバスの車内(いずれも川崎鶴見臨港バス提供)

 川崎、横浜両市の一部で路線バスを運行する川崎鶴見臨港バス(本社・川崎市川崎区)は12月中旬から、バスの中扉付近にある座席の一部をなくした「ワイドスペースバス」の運行を始める。同じ大きさの通常バスより、乗車定員で5人分を増やせる。朝夕のラッシュ時に鶴見駅西口を発着する路線でまず1台を導入。効果を検証しながら他路線での運行を検討する。

 同社によると、路線バスでのワイドスペースバスの導入は全国初という。

 全長約10.4メートル、幅約2.5メートルのワイドスペースバスの定員は85人で、内訳は座席18人、立ち席66人、乗務員1人。定員80人の既存の同型バスと比べ、座席を4人分減らし、立ち席を9人分増やした。

 鶴見駅西口発着の各系統は住宅街で学校も多数あり、通勤通学客が多い。それぞれ菊名、新横浜、綱島駅間を結ぶル-トのため、往復ともに混雑が激しく、ラッシュ時には停留所の利用者がバスに乗りきれないケ-スがあった。道路幅も狭いため、川崎駅と臨海部を結ぶ路線のようにバスを大型化して混雑緩和を図ることができなかった。

 同社の担当者は「日によって混雑度も違うので、どの系統のどの時間に走らせるかを社内で詰める。効果を検証し、他路線でも導入できるか検討していく」としている。

 ワイドスペースバスには、ドライバーの体調が急変した場合などに、乗客が非常ブレーキスイッチを押すと、バスを減速、停止できるシステムを搭載している。

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