深海ザメ出産、世界初の“親子展示”実現 新江ノ島水族館

飼育、展示されているヒレタカフジクジラの稚魚(新江ノ島水族館提供)

 新江ノ島水族館(藤沢市)で展示中の深海ザメ「ヒレタカフジクジラ」(カラスザメ属)が12日、水槽内で稚魚6匹を出産した。うち5匹が生きており、同属では世界初とされる“親子展示”が実現した。同館は「稚魚の飼育は手探り。短期間の展示になる可能性がある」としている。

 ヒレタカフジクジラは日本からオーストラリア、ニュージーランドの西太平洋の深海に広く分布。体に発光器を持ち、暗闇で光るサメとして知られている。

同館は10日、相模湾沖で成魚3匹を採集。メス1匹(体長約38センチ)を展示していたところ、12日朝から13日にかけ出産した。稚魚は13センチほどの大きさで、深海に近い環境で細心の注意を払って飼育されている。

 同館によると、ヒレタカフジクジラは入手機会が少ない上に生態の不明部分が多い。国内の水族館で飼育、展示されているのは同館だけで、世界的にも極めてまれという。

© 株式会社神奈川新聞社