甘藷病原菌で対策室 串間市、産地維持へ指導強化

 串間市で食用甘藷(かんしょ)の病原菌感染被害が深刻化していることを受け、市は13日、市農業振興課に「かんしょ産地対策室」を新設した。農業に精通した職員10人が被害の出た畑に残った甘藷やつるを適切に処理しているかを確認し、病原菌に感染していない種芋や苗を育てるよう指導することで、産地の維持を目指す。
 被害拡大に伴い、市はこれまで対策に当たってきた同課の4人だけでは十分に対応できないと判断。新たに6人を追加し、農家への巡回指導を強化する。苗や種芋をしっかり消毒しているかや、対策が実施されているかを現場で確認する。
 同日は市役所で辞令交付式が行われ、山下義信室長は「生産農家の不安を拭い去ることが第一。職員も現場に足を運び、甘藷産地の串間を守る力になる」と意気込みを語った。
 同市では昨年、「サツマイモ基腐病(もとぐされびょう)」の感染が確認され、昨年度の出荷量は前年度の約4分の3の1万2519トンとなった。今季は9月に感染拡大が判明。出荷量はさらに減少する見込みとなっている。

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