平塚・乳児遺体遺棄1年 事件解決へ誓い新た

チラシを配り市民に情報提供を求める捜査員=JR平塚駅北口

 神奈川県平塚市内の金目川河口で生後間もない乳児の遺体が発見された事件は13日、発生から1年が経過した。県警は死体遺棄事件として調べているが、身元を確認できないなど捜査は難航している。平塚署捜査本部の署員らは遺体発見現場に献花し、事件解決へ誓いを新たにした。

 事件は昨年12月13日午前9時半ごろ、同市唐ケ原の花水川橋付近の浅瀬で、うつぶせの状態で倒れている乳児をジョギング中の男性が発見。へその緒が付いた身長約50センチの女児で、死後約1週間が経過していた。遺体は損傷が激しく、司法解剖でも死因は特定できなかった。

 同捜査本部はこれまで、延べ約5500人を投入。周辺の学校や医療機関などへの聞き込みを続けてきたが、有力な手掛かりを得られていないという。ある署員は「遺体が現場に直接遺棄されたのか、上流から流れてきたのかも分からない。市民からの情報提供も少なくなってきている」と危機感を募らせた。

 13日は地元のJR平塚駅北口でチラシ約500枚を配り、情報提供を求めた。7カ月の男児を抱いた女性(39)は「人ごとではない。事情があるのかもしれないが、子どもを捨てるなんて理解できない」と解決を願った。同署の春田政之署長は「とても許される事件ではない。どんなにささいなことでも情報提供してほしい」と呼び掛けた。

 情報提供は平塚署電話0463(31)0110。

© 株式会社神奈川新聞社