星野リゾート、「ロテルド比叡」運営を来春終了 ホテルは継続

比叡山にあるロテルド比叡(京都市左京区)

 全国で宿泊施設を展開する星野リゾート(長野県)は、京都府と滋賀県境の比叡山にあるホテル「ロテルド比叡」(京都市左京区)の運営を来年3月末で終了する。契約期間が満了するためで、ホテル事業は継続されるという。

 ホテルは京阪電気鉄道が「ロテル・ド・比叡」の名前で1999年、比叡山国際観光ホテル跡地に開設。当初はフランスの雰囲気を前面に出すスタイルで、デザインも同国の建築家らが手掛けた。

 2015年に業務委託を受けて運営を引き継いだ星野リゾートは、滋賀の魅力を取り込む形でホテルの路線を転換。ふなずしなど湖国の味覚を料理に生かし、比叡山の歴史・文化を体験するアクティビティーも取り入れた。17年には琵琶湖を望むテラスを新設し、「SNS(会員制交流サイト)映えする」と人気を集めた。

 「集客は好調」(同ホテル)だったが、5年の契約期間が満了し、運営を終えることとなった。ホテルは現在ホテル京阪の所有で、京阪ホールディングスは「宿泊事業は継続するが、運営主体や運営方針については検討中だ」としている。

 ロテルド比叡は、集大成となる宿泊プラン(2~3月)を販売している。発酵食や延暦寺(大津市)での厄よけ参拝が体験できる内容。比叡山の寺社を巡るための「御朱印帳」をプレゼントし、「宿泊客と滋賀の縁が次につながるようにしたい」とする。

星野リゾートによる運営が来年3月末で終了するロテルド比叡

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