4位でCS逃したロッテの戦力整理…福浦が引退、鈴木FA流出、助っ人4選手が退団

今季限りで退団となったマイク・ボルシンガー【写真:荒川祐史】

伊志嶺ら8選手が戦力外、FAで美馬と福田、新助っ人に元広島ジャクソン獲得

 井口資仁監督が就任2年目を迎え、CS進出を目指した2019年のロッテ。シーズン終盤まで楽天と熾烈なCS争いを繰り広げたが、惜しくも2ゲーム差で届かず、69勝70敗4分の4位に終わった。それでも6位→5位→4位と1つずつ順位を上げ、来季につながるシーズンとなった。

 オフシーズンに入ると積極的な補強に動き、楽天から国内FA権を行使した美馬学投手、ソフトバンクから国内FA権を行使した福田秀平外野手を次々と獲得。新助っ人として昨季まで広島で活躍し、今季はメジャー28試合に登板したジェイ・ジャクソン投手と契約した。ドラフトでは4球団競合となった大船渡の最速163キロ右腕・佐々木朗希投手を引き当て、2位でも注目の東洋大の佐藤都志也捕手の指名に成功した。

 一方で、福浦和也内野手が現役引退、鈴木大地内野手が国内FA権を行使して楽天に移籍した。また、助っ人はレイビン、ブランドン、ボルシンガー、バルガスが退団、伊志嶺ら8選手が戦力外となった。それでは今季で引退、戦力外となった選手たちの実績などを振り返ってみよう。

○福浦和也内野手(現役引退→2軍ヘッドコーチ兼打撃コーチ)

 習志野高から1993年ドラフト7位で投手として入団。1年目に打者転向すると、4年目の1997年に1軍デビューを果たして定着。2001年には打率.346で首位打者を獲得するなど安打を積み重ね、2005、10年と2度の日本一に貢献した。昨季9月の西武戦で通算2000本安打を達成。今季は2軍打撃コーチと兼任となり、1軍出場は引退試合の日本ハム戦のみ。4打数無安打だったが、9回2死から一塁線へのライナーに飛びつく好守で試合を締めた。2000本ちょうどで引退した初めての選手となった。2235試合7039打数2000安打118本塁打935打点、打率.284。

○鈴木大地内野手(FA→楽天)

 東洋大から2011年ドラフト3位で入団。1年目の2012年に62試合に出場すると、2013年からは7年連続で140試合以上に出場。今季は6月に自身初の月間MVPを獲得する活躍で、監督推薦で球宴に選出。最終的に自己最高の打率.288、自己最多の15本塁打の成績を残していた。シーズン終了後に国内FA権を行使し、楽天への移籍が決まった。1061試合3649打数999安打54本塁打384打点30盗塁、打率.274。

○ジョシュ・レイビン投手(自由契約)

 ブレーブスから今季、ロッテに加入。初登板となった西武戦では好投したものの、続く阪神戦では0回2/3で5失点を喫して登録抹消。その後の登板はなく退団となった。

○ブランドン・マン投手(自由契約)

 2011、12年にDeNA、2013年にBC信濃でプレー。その後はアメリカに帰国し、昨季レンジャーズでメジャーデビューを果たすと、今季からロッテに加入した。8月に左肘の炎症で抹消され、14試合の登板で0勝2敗、防御率3.94の成績に終わり、退団となった。ツイッターでは日本語で投稿するなど親日家で愛された。

○マイク・ボルシンガー投手(自由契約)

 ブルージェイズから昨季、ロッテに加入。1年目の昨季は前半戦だけでリーグ最多11勝を挙げて球宴選出。外国人選手歴代最多タイの11連勝も飾った。右手の故障で8月に抹消されたが、20試合に先発し、13勝2敗、防御率3.06で最高勝率に輝いた。今季も20試合に先発したが、4勝6敗、防御率4.63と大きく成績を落としていた。

○ケニス・バルガス内野手(自由契約)

 ツインズから今季、ロッテに加入。メジャー4年で35本塁打、2017年WBCプエルトリコ代表で準優勝の実績を引っ提げて入団し、オープン戦では菅野から看板直撃弾を放つなど期待された。しかし、35試合の出場で、打率.179、1本塁打、6打点と結果を残すことはできなかった。プエルトリコのウインターリーグでは4番を打つなど好調を維持している。

○関谷亮太投手(戦力外→1軍打撃投手)

 JR東日本から2015年ドラフト2位で入団。1年目の2016年から16試合に先発し、2017年には先発と中継ぎで10試合に登板して防御率3.80の成績。昨季は2試合の登板に終わり、今季は1軍登板が無かった。

○島孝明投手(戦力外)

 2016年ドラフト3位で入団。東海大市原望洋高では甲子園に出場し、3年時には侍ジャパンU-18代表に選ばれ、アジア選手権優勝に大きく貢献。最速153キロの本格派右腕として期待されたが、3年間で1軍登板は無かった。球団は育成契約を打診していたが本人が大学進学を希望し現役引退を選んだ。

○阿部和成投手(戦力外→2軍サブマネージャー)

 大牟田高から2007年高校生ドラフト4巡目で入団。2011年に1軍デビューし、2015年には14試合、2016年には13試合に登板。今季は4試合に登板し、プロ初ホールドを含む2ホールドを記録するなど無失点に抑えていた。

○李杜軒内野手(戦力外)

 台湾から岡山共生高に3年間留学し、2006年高校生ドラフト4巡目でソフトバンク入団。2016年に戦力外となり、2017年は台湾プロ野球(CPBL)富邦でプレー。昨季はロッテの入団テストに合格して加入した。昨季は開幕1軍入りを果たすなど11試合に出場したが、今季は1試合の出場に終わっていた。

○大木貴将内野手(戦力外)

 四国IL・香川から2015年育成ドラフト1位で入団。2016年途中に支配下登録されると、2017年に1軍デビューして9試合に出場。プロ初ヒットに加え、自慢の快足でプロ初盗塁も記録した。今季は1軍出場が無かった。

○伊志嶺翔大外野手(戦力外→1軍走塁コーチ兼打撃コーチ補佐兼外野守備コーチ補佐)

 東海大から2010年ドラフト1位で入団。来季からは1軍コーチに就任する。1年目の2011年には126試合に出場し、この年の新人で唯一の規定打席に到達。打率.261、32盗塁と活躍した。その後は故障に悩まされて規定打席に到達することはなく、今季は初めて1軍出場なしに終わっていた。通算448試合975打数236安打6本塁打59打点59盗塁、打率.242。

○大嶺祐太投手(戦力外→育成契約)
○高濱卓也内野手(戦力外→育成契約)(Full-Count編集部)

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