ルノーF1チームのマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは、ルノーは若手育成プログラムのメンバーをF1グリッドに昇格させるために力を注いでおり、その目標達成に近づきつつあると語った。
ルノー・スポール・アカデミーは2016年に設立され、現在7名の若手ドライバーを擁している。彼らは2019年シーズンにFIA-F2、FIA-F3、フォーミュラ・ルノー・ユーロカップを戦ってきた。
2019年の夏にF2スパ・フランコルシャン戦での事故で死亡した故アントワーヌ・ユベールは、アカデミー内で最も有望な才能の持ち主であり、近い将来のF1昇格が確実視されていた。
「アントワーヌに何が達成できたかを知ることは、もはやできなくなってしまった。しかし、我々はアントワーヌがいくつかの夢を実現する手助けができたことを、誇りに思っている」とアビテブールは語った。
「彼は5月のモナコでF2初優勝を果たし、その後、母国フランスでのレースでも勝利を飾った。彼がいかに勤勉で固い決意を持っていたかということを、我々は記憶に留めるだろう」
ルノーの若手ドライバーのなかでトップにつけているのは周冠宇(チョウ・グアンユー)だ。周は2019年のF2選手権でランキング7位を獲得、のルーキー・オブ・ザ・イヤーにあたるアントワーヌ・ユベール・アワードのトロフィーを授与された。
2020年シーズン、周はデンマーク出身の若手クリスチャン・ルンガーとともにF2に参戦する予定となっている。
「エンストンやビリーのファクトリーで若手のデザイナーやエンジニアが熱心に仕事をして、新たなエネルギーをチームにもたらしているのと同様に、我々の若手ドライバーたちもそれぞれスキルを向上させるために非常に懸命に取り組んでいる」とアビテブールは付け加えた。
「我々はレーシングの才能を持つ者たちを育成することに力を注いでいる。アカデミーのドライバーをF1に迎え入れる時期は、これまでになく近づいていると思う」
「これは常に長期的な目標だ。この目標の実現に一歩近づけたことを、私はうれしく思っている」
ルノー・スポール・アカデミーのディレクターを務めるミア・シャリズマンは、2021年には若手ドライバーのうちのひとりをF1に送り込めると確信している。
「ルーキーにとって選手権でタイトルを獲得するのがより難しくなっているのは明らかだ。つまり、我々のドライバーたちは2020年にタイトル争いができる有利なポジションにいるということになる」とシャリズマンは語る。
「目標は2021年までに、アカデミーのドライバーにF1シートを獲得させることだ。多くのハードワークが待ち受けているが、実現できると確信している」
「アカデミーにとって、来シーズンは“攻撃の年”と呼べるだろう。我々は選手権タイトルの獲得を目指すとともに、プログラムへの評価を確立し、才能を持つ若手がルノー傘下に入ることを望むようにしたい」
「来シーズンがどのような展開になるかを非常に楽しみにしている。エキサイティングな年になるだろう」