“次なる朴一圭”を探せ!J3で輝いた「金の卵」5名

横浜F・マリノスの優勝で幕を閉じた2019年のJリーグ、特にマリノスの守護神を務めた朴一圭は1年前までFC琉球でJ3を戦っていたことが話題だ。

現在、JリーグではJ1、J2、J3と3部にわかれて各チームがしのぎを削っているが、年々ディビジョンの格差はなくなりJ3でもJ1に活躍できそうなポテンシャルを持つ選手たちが増えているように思う。朴以外でも例えばJ2得点王のレオナルド(アルビレックス新潟)も1年前はガイナーレ鳥取でプレーしていた。

そこで今回は来年もしかしたらJ1、J2で活躍するかも知れないダイヤの原石たちを紹介しよう。

大谷 駿斗(カターレ富山)

学生サッカー界では無名だったルーキーが今季1年目にして9ゴールをあげた。二けた得点こそならなかったものの、8月に初先発を飾ると後半戦は「大谷劇場」と呼ぶべき活躍ぶりを見せた。チームは新記録となる5連勝を飾りJ3に降格してからは最高位となる4位フィニッシュの原動力となった。

石川県出身で金沢学院大学に進学、大学時代はキャプテンを務め1トップのFWでプレー。だが北信越大学リーグ2部に所属していただけに富山のスカウティング力は素晴らしい。2018シーズン、特別指定で富山でプレーすると今季から加入となった。

50m5秒8(5秒9とも)というスピードが最大の売り。J3ではウィングで起用されると圧倒的ともいうべきスピードで一瞬で裏へ抜け出しフィニッシュを飾っていく。

今シーズンは大型のストライカー、平松宗がボールを収めたことで特にその特徴が際立った。すでに石川県出身ということで金沢あたりが狙っているのではないか?と移籍の噂が絶えないが来季はどこでプレーしているだろうか?(追記:12/14に富山との契約を更新しておりました。失礼致しました)

高橋 大悟(ギラヴァンツ北九州)

J3優勝を飾ったギラヴァンツ北九州からは清水エスパルスから育成型期限付き移籍でプレー中の高橋を紹介しよう。

10、11月と二カ月連続でJ3ベストゴールをあげた高橋はU-18、U-19日本代表歴があり、高円宮杯U-18サッカーリーグ2016プリンスリーグ九州・得点王に輝いているなどエリート街道を歩んできたフォワードだ。

北九州ではフォワードではなくサイドでプレーするが、チョン・テセも褒めたというシュートの上手さがある。

清水から加入すると全14試合でプレーし7ゴールと高い得点力を示した。もちろん、サイドの選手としてアシストであったり、守備をきちんとこなすなど総合力の高さを見せた。

今年ルーキーながら存在感を示した清水MF西澤健太と共にコンビを組むようなことがあれば来季のエスパルスが楽しみな人材である。

林 誠道(ガイナーレ鳥取)

2018年の先発出場0のMFが今季はFWで主に起用されると11ゴールをあげ一躍水を得た魚のような活躍でレオナルド(新潟へ移籍)の穴を埋めた。自身の目標は7ゴールだったというのだからそれを4つも上回ったことになる。

177cmととても大柄というわけではないが、頭(5ゴール)、両足(左足2ゴール、右足4ゴール)とどこからでもゴールが狙える選手で8月にはJ3ベストゴール、10月の月間MVPをあげた。11月に左足関節靭帯損傷でチームから離脱したが、立派な成績だったと言えるだろう。

今年は高澤、原、武、町野ら日本人FWの活躍が目立ったJ3だがこの林に筆者は期待したい。

鳥取は今季も昇格をあと1歩で逃したが、来シーズンこそは林らと共にと思っているだろう。

高澤 優也(ザスパクサツ群馬)

流通経済大学付属柏高校、流通経済大学を経て2019シーズンにザスパクサツ群馬へ加入すると青木、加藤と共に攻撃陣をけん引しJ3で最も素晴らしいと言われたチームでエースとして17得点をあげた。

181cmの長身でヘディングを得意とする「利き足は頭」系の選手だが、左利きで左足でのゴールも多い。また、前線からの守備もきっちりこなすなど決して点をとるだけのFWではない。

今季の群馬は一時期首位に立ち、一時はクラブ新記録となる7連勝も記録した。しかし、前線の青木、高澤が怪我で離脱してしまい2位で何とか昇格を決めた。仮に3人のFWが来季のJ2でもそろい踏みしたら、普通にJ2でも屈指の攻撃力を誇るだろうし、今季J3得点王を獲っていたかもしれない、そう抱かせるだけの力があった。

なお、サッカー好きで知られる小柳ルミ子氏がブログで高澤選手とは親戚であることを表明している。

吉田 舜(ザスパクサツ群馬)

最後に朴一圭と同じゴールキーパーを紹介しよう。法政大学より2019年に加入した吉田舜だ。

大学時代はインカレで法政大優勝に貢献、自らもベストGKに輝いた。

2017年にはSC相模原で特別指定されたが、相模原ではなく今季群馬へ加入した。特筆すべきはパントキックの上手さ、高低使い分け最後尾からキックでチームを盛り立てた。

特徴を示す「キックで魅せる攻守両用型要塞」というコピーでも知られている。憧れの選手は「エドウィン・ファン・デル・サール」であるという。

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