MLBとマイナーリーグが非難の応酬 マイナー球団削減案で“泥仕合”に

MLBがマイナーチームの削減を検討し議論となっている【写真:Getty Images】

両者の言い分が対立、米紙「信頼は低く、緊張は高い」

 大リーグ機構(MLB)が現在160チームあるマイナーリーグ球団から42チームを削減することを検討しており、MLBとマイナーリーグとの間の溝が広がっている。削減を求めるMLB側と削減に反対するマイナーリーグ側は完全に対立。非難の応酬となっている。

 米紙「ロサンゼルスタイムス」は「MLBはマイナーリーグベースボールから手を引くと脅している」と題した記事を掲載。強硬な姿勢で削減を押し進めようとするMLB側とマイナーリーグ側とのやり取りや、双方の言い分をレポートしている。

 記事では「メジャーリーグベースボールは、ブラッシュボールをマイナーリーグに対して厳しく投げた。メジャーリーグとマイナーリーグの間の信頼は非常に低く、彼らの間に張り詰めた緊張は非常に高い」とし、両者の緊張状態をレポートした。

 MLBがマイナーリーグ側の対応を非難すると、これに対してマイナーリーグ側も、MLBを非難する4ページのメモを発表。記事では「マイナーリーグは、MLBが問題についての話し合いにおいての彼らの姿勢を『何度も、不正確に』表現したと非難した」と伝えられている。

 これに対してMLBは強硬策を提示した。マイナーリーグと手を切り「MLBの球団が現在の協定では許可されていない、独立リーグのチームなど、アメリカにあるどのチームでも自由に傘下にすることができるようにさせる」といった声明文を発表したのだ。

MLBコミッショナーのマンフレッド氏は「憤慨している」

 現在のMLBとマイナーリーグの協定は2020年に終了する。MLB側はこの2020年を機にマイナーリーグ球団を42チーム削減して118チームとする案を提示しているが、これにマイナーリーグは難色を示している。マイナーリーグのオーナーたちと会談したMLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏も「妥協を全くしない、現状維持のアプローチだ」と批判した。

 MLB側はマイナーリーグの球団が問題点の改善を拒否していると指摘しているが、逆にマイナーリーグ側は環境改善のために話し合いに喜んで応じるとする姿勢を示している。ここでも双方の言い分は真っ向から対立している。

 また、記事によれば、交渉の内容をマイナーリーグ側が公にしたことで「マンフレッドはとても憤慨している」という。それに対してあるマイナーリーグのオーナーは「ロブはマイナーリーグを滅ぼそうとしているんだよ。コミュニティーから野球を奪って、仕事を奪ってね。チームのオーナーたちは、なんとか自分達のチームを救おうとして、その情報を公にしただけだ。それに対して怒るなんて馬鹿げている」と怒りを露わにしている。

 解決の糸口がなかなか見えず“泥仕合”の様相も呈してきているMLBとマイナーリーグの論争。果たしてどういった形で決着がつくのだろうか。(Full-Count編集部)

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