持続可能な社会インフラとなりえる農と食を提供する「プランティオ株式会社」【#plantio】

皆さんこんにちは。河上 純二 a.k.a JJです。

世界を変えるスタートアップ企業にフォーカスした最新レポートをお届けします。第13回目は、持続可能な食と農をテーマに、IoTやAIのテクノロジーを融合させ、みんなで野菜を育てるカルチャーを創る「プランティオ株式会社」共同創業者/CEOである芹澤 考悦(せりざわ たかよし)さんにお話を伺います。

祖父が情熱と歳月をかけて発明した「プランター」

プランターというのは、ホームセンターで売ってみるプラスチックなどで出来ていて、細長くて草花を植えて育てる箱や鉢の事です。

これは戦後の復興の時代に、私の祖父が6年もの歳月と情熱をかけて生み出したもので、1949年に「プランター」という名称で世に送り出しました。

「プランター」というものは、簡単に言うと水と空気が循環するシステムのことで、小さくても自然環境をそのまま再現しているものを「プランター」と呼びます。祖父はこれを「いのちのゆりかご」と呼び、とても大切にしていました。

僕自身、家業とは全く正反対のIT企業に勤めていていまして、ガラケーのモバイルサイトのプロデューサーをやっていました。ある時期、父の体の調子が悪くなったのをきっかけに、家業である「園芸」に携わるようになりました。

立ち上げ当初、IT業界にいた経験をきっかけに、「園芸×IT」ということで、野菜をみんなで育てて遊ぶゲームを企画して進めようとしていました。
そんなある日、ゲームの企画をあの有名な投資家である、孫泰蔵さんにプレゼンしたところ、
「これは世界を救える、社会を変えるプラットフォームになる可能性がある。是非もう一度『プランター』を今の時代に再発明したほうがいい。」と厳しく指摘を受けたことがありました。

これがきっかけとなり、IoTとAI、持続可能な農と食の課題、社会にインパクトを与え、どうライフスタイルを変えて行くか?新しいカルチャーを創るために「プランター」を再発明することを決心しました。

持続可能な農と食、僕たちのライフスタイルをどう変えるか?

新たな夢の実現を目指して、プランティオ株式会社は2015年に誕生しました。研究開発には今まで時間をかけて行っています。

たとえば、プランターに使っている土も研究して独自に開発したオリジナルの土です。
地球の70%が海で、陸地は30%くらいといわれています。その陸地の30%のうち農業土木につかわれるのは6%くらいです。それを削って使い、消費し続けることにも疑問を抱いていたので、廃材を再利用し土として使えるものを作りました。もちろん、古い土をリサイクルして再利用したいという観点もあります。

プランターもかなり時間をかけて作っています。種まきから収穫まで自分たちがお世話していることを忘れないように通知が来るような機能をつけたり、植物が育つ適切な光量を出せるLEDライトを作ったり、その場所の緯度経度や時間を計算して、自然の日照時間をそのまま再現できるような機能など、IoTとAIが融合したプランターを作りました。

僕らユーザーはお金を月額課金モデルで払うことで、我々が提供しているビルの屋上の農園で、種をまき育て、そして収穫が出来ます。

収穫した野菜は、近くの飲食店を貸し切ってみんなで食べたり、ワークショップを開催して料理したりと楽しみます。そして最後に次の野菜の種をまく所までが私達のサービスのワンパッケージです。

いまの既存の農業は対価を払って野菜を搾取して終わり。僕らはそうじゃなくて、食べた分に少し上乗せして、次の野菜の種をまいて行こうというコンセプトのサービスにもなっています。

ビルや空き部屋のスペースを活用した持続可能な社会インフラ

そして近い将来、様々なビルの屋上や、空き部屋に農園を作ることで、規模は小さいですが、沢山の場所に点在しているオフグリッド型の農場が多く出来ます。
地震が起きたり、そういった有事の際は、ビルの農園の鍵が自動的に開いて、だれでも野菜を採れるようになったりと、災害時にも活用できる社会インフラになります。

ビジネスモデルとしては、ユーザー側には月額課金(サブスクリプション)で頂いて、収穫した野菜の量、農園の可動率に応じて、ビル側に費用を再分配するモデルです。僕らがお願いするのは、最初のファーム設置費用は初期費用だけで考えています。

「誰でもどこでも、アグリカルチャー(農)に触れられるカルチャー(文化)をつくったことが、祖父の最大の発明です。」

プランティオ株式会社

共同創業者/CEO 芹澤 考悦

https://plantio.co.jp/

■河上 純二 a.k.a JJプロフィール

ビジネスプロデューサー/パーソナリティ/モデレータ

河上 純二 a.k.a JJ

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