上越の魅力向上へアイデア次々 「良品計画」社員が事業プラン発表会

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良品計画の社員らによる上越市を活性化する事業プランの発表会=12日、東京都豊島区

 新潟県上越市の直江津ショッピングセンター(SC)に「無印良品」を来夏出店する予定の良品計画(東京)は12日、上越市全体の魅力向上に向けた事業プランの発表会を東京本社で行った。全国から公募した社員が11月、上越市内で行ったフィールドワークを基に、実現可能なプランを練り上げた。遊休不動産の町家や通過するだけのバス停の交流拠点化、中山間地の生活の知恵が学べる学校の開設など、潜在的な価値を活用したアイデアが次々と出された。

 同社は近年、個店経営にとどまらず、地域への「土着化」を狙った事業展開を進めている。今回は社内研修「くらしの編集学校」の一環で、社員16人が高田、直江津、大島、柿崎のエリア別に地域の実情を学んだ。

 直江津班と柿崎班は利用が低迷するバス交通に着目し、直江津SCを所有する頸城自動車との連携を軸にプランを考えた。直江津班は、リゾート列車「雪月花」のような大きな窓や、物販スペースを備えたバスをデザイン。各拠点を循環するバスルートを新設し、一部のバス停に改装した空き家を活用することで「人と情報が集う拠点にしたい」と力を込めた。

 柿崎班が考えた「行商路線バス」は月に数回、買い物弱者のお年寄りが集中する地域に出向くサービス。研修期間中に実証し、「買い手と密に触れ合うことで、働きがいと誇りを感じた。『土着化』の本質はこうした交流にあるのではないか」と実感を語った。

 高田班は町家を取り上げた。町家は売り手の顔が見えにくく、個々の判断で取り壊される現状がある。同社が設計、改装して付加価値をつけるほか、転貸の仲介役を担い、町家情報の「見える化」を推進。市所有の町家「旧金津憲太郎桶店」に物販、休憩スペースを整備し、新店舗のサテライト施設とする案も説明した。

 「越後田舎体験」を長年受け入れてきた実績の活用を考えたのが大島班だ。地域住民が農業や保存食作りなどを教える「里の学校」を開設。一定期間学び、卒業生が立てた事業計画次第では、同社が具体化をサポートする仕組みを提案した。

 講評で上越市商業・中心市街地活性化推進室の青山達哉室長は「売り込みたい地域資源の活用法が斬新だ」と強調。頸城自動車の山田知治社長は「上越を変える化学変化が起こると感じた」と述べた。

 良品計画の金井政明会長は「アイデアを一つにまとめ、上越で行動に移す流れをつくりたい。上越市長も巻き込み、面白いノリでできないか」と呼び掛けた。

 同社は今後、新店舗プロジェクトチームなどが事業プランを検証し、上越市などと連携しながら実現の可能性を検討していく。