【英総選挙2019】 有権者はどのように投票したのか、その理由は

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BBCは今週初め、調査会社ブリテン・シンクスによって選ばれた支持政党を決めかねている有権者からの意見サンプルを公開した。その人たちが12日の投票日に実際にどのように投票したのか、そしてその理由について尋ねた。

一部の回答内容を以下にまとめた。分かりやすくするために、インタビュー内容は若干編集してある。

保守党に投票

欧州連合(EU)離脱派のマークさんは、「結局はブレグジットが決め手だった」と話す。マークさんは、すべての政党による選挙戦の闘い方にがっかりしていた。政治は、どたばた人形劇のようなものだと。それでも、小さい会社の経営者として、投票先を決めるのは決して難しくなかったという。

「ブレグジットや、EU離脱という民主主義的決定を実現しようという努力は別として、この国の経済運営の担い手としては、保守党が最もふさわしいし、私の家族やビジネス上の利益をよりよく支えてくれるはずだ」

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同じく離脱派のレズリーさんは、2017年総選挙と同様に今回も、投票用紙を前に、保守党候補に投票を意味する「X」をつけた。

レズリーさんは、「ブレグジットが終わって欲しい。とはいえ、ブレグジット党に入れても票の無駄遣いになるかもしれないと思った」と話した。

「ボリス(ジョンソン首相)を罵倒することしか考えていない」ように見える自由民主党とスコットランド国民党(SNP)にうんざりしていた。2度目の国民投票実施という公約を掲げた労働党のことも信用していない。

「一度目は過半数の人が離脱を選んだ。2度目をやったとして、自分たちの気に入らない結果を労働党は尊重しただろうか」

ガブリエルさんは、開票結果に「興奮し、不安になり、期待している」という。「私の住む地域では犯罪が増加しているので」、とりわけ「刃物を使った犯罪に関わった人物」を警察が路上で職務質問する権限を強化するいう保守党の公約が気に入っていると話す。

「保守党が、警察官や看護師、かかりつけの総合診療医を増やすというのも良いと思う」

労働党に投票

今回初めて総選挙で投票したアメリアさんは労働党に入れた。理由は、「国民健康サービス(NHS)にとって最善の選択だと感じ、労働党は大学授業料の廃止を約束したから」だという。アメリアさんはブレグジットにも反対している。

一方、チオマさんはそれほどの熱意もなく労働党に投票した。「労働党は国民のニーズを知ることに力を注いでいると思う。総花的にいろいろたくさん約束しすぎだと思うけど」。チオマさんは、党同士の「言い争い」にうんざりしているという。

最近ボーイフレンドと一緒にマイホームを購入したクルーで暮らすジェマさんは、労働党の公約は「かなり非現実的」だとしつつ、「恵まれない人を助けようとする」労働党が好きだという。

NHSや動物福祉の運命も気にかかるというが、「投票を考えるほど他党のことをよく知らないし、保守党はまったく私には合っていない」と明かした。

自由民主党、スコットランド国民党、緑の党に投票

サットン・コールドフィールドで夫や子供2人と暮らすリアンさんは、過去3度の総選挙では保守党に、2016年の国民投票では離脱に投票した。ところが今回は、はっきり残留派の自由民主党の欄に投票を意味する「X」をつけたという。なぜなのか。

「各党のマニフェストを読んで、選択肢について真剣に考えた。『私や私の家族にとって最も重要なことは何か』と考えながら、各党の政策に目を通した。私にとって、自由民主党の言い分が最も筋が通っていた」

リアンさんは、「保守党と労働党の間の中傷合戦や否定的な泥仕合」にうんざりしているという。

チェシャーで家族と暮らし、教育補助員として働くレイチェルさんもまた、熟慮の末に自由民主党に投票した。保守党が地元で保守党が勝つのはいやだったが、だからといって保守党に勝てる可能性が最も高い労働党に投票することは耐えられなかったという。

「迷いました。最後の最後まで。戦術的に投票するか、それとも倫理的に投票するべきか。労働党に投票して、ジェレミー・コービンを支持することはできなかった。労働党が選挙公約の財源をどうするのかも、とても心配だったし。私はブレグジットを支持していないので、保守党という選択肢はあり得なかった」

過去3回の総選挙でに2度、SNPに投票したジェイムズさんは、今回もまたSNPを選んだ。「労働党はここスコットランドの主な有権者を見捨てていると感じたし、ジェレミー・コービンが言っていることを信頼できなかった」といい、自由民主党については「当てにならない」、「死票になるかもしれない」と考えたという。

ハムザさんは、「環境問題を大事にする」緑の党は、悪い中でも一番ましな選択肢だったと述べた。「多くの政治家が、話を誇張したり嘘をついたりする」せいで、支持政党を決めるのが難しかったという。「ブレグジットや生活費、国の未来に関して、要素や問題が多すぎて」、「非常に難しい」決断だったと述べた。

無効票

ウェスト・ミッドランズ在住で、地元自治体で詐欺捜査官として働くケイトさんは、提示されたすべての選択肢にうんざりし、無効票を投じたという。「どの党の公約もうそだらけだった。どの政党も信じないし、信頼していない。有権者に耳を貸さないし、私たちへの敬意がない」。

総選挙前に私たちが二大政党について尋ねた際には、ケイトさんは保守党について「信頼性や良識があり、強い意志がある」と述べ、労働党については「危険で、理想主義的で、信頼できない」としていた。しかしケイトさんは今回、その保守党にさえ入れようとしなかった。

「難しい選択」だったとケイトさんは言う。「私は、自分の投票権を行使するべきだと強く信じている。なので、投票に行かないなどあり得なかった。それでも、地元選挙区のどの政党も、支持できなかった。時間の無駄だ」。

プロデュース:アリックス・クルーガー

(英語記事 How the undecideds cast their vote - and why