東洋大・定方「最後は4年分の走りを」 鉄紺の襷に「夢のよう」、チームのために走りたい

By 森尾 伊久美

 12月13日に東洋大学白山キャンパスで行われた陸上競技部の箱根駅伝壮行会で、4年生になってメキメキと頭角を現してきた定方に、最初で最後になる箱根駅伝について話を聞いた。

「怯まず前へ」体現した出雲・全日本

 出雲では初めて鉄紺のユニフォームに襷をつけることができて、すごく夢のようで、ワクワク感があった。結果としては、2位でもらっておきながら順位を落として3番でゴールしてしまって、しかも目の前で優勝のゴールテープを切られてしまったので、やっぱりまだまだ自分の力は他の選手に及ばないと痛感した。そこで悔しい思いをしたことで、全日本でしっかり区間2位という走りができたと思う。(吉田(青山学院大)と同タイムだったが)3,40秒なら先頭と差を詰められるかなと思っていたくらいなので、自分でもびっくりした。

今年の出雲駅伝でアップ中の定方は、にこやかで楽しそうな様子だった。

 (酒井監督に「使命感で走る」選手と評されていたが)確かにそうだと思う。全日本は5番という順位でもらって、自分がここでさらに差を広げてしまったら優勝できない、東洋が優勝するためにできることは8区の宮下が抜きやすい位置で襷を渡すことだと思ったので、使命感を持ってやった。「自分が」というよりは「やらなければいけない」という感じ。

「定方家最後の箱根」はエース区間で

 出雲・全日本ではエース区間を走らせてもらったので、箱根では往路の2,3,4区あたりを走りたい。父と兄は小さい頃から憧れの存在だが、二人とも箱根では悔しい結果になっている。定方家最後として、しっかり決めて終わりたい。父と兄が活躍している姿を見てきているので、同じ舞台に立てることを誇りに思っている。

 父・次男さんは、第61回〜第63回大会に出場。第63回大会では7区を走った。当時は予選会を勝ち上がっての参加で、総合9位までが翌年のシード権を得られるが、東洋大は10位でフィニッシュした。また、兄・俊樹さんは第89回大会で、山の神・柏原さんの卒業後初めての5区を走って、3位でフィニッシュ。史上初の往路5連覇とはならなかった。

 努力が実を結んだラストイヤー

 (4年生になって力を伸ばしてきたが)前回大会で箱根16人のメンバーから外れて悔しかったことがきっかけ。3年間チームに貢献することができなかったので、最後の年は絶対チームのために走りたいという思いで人一倍練習をやってきて、その成果が今出てきていると思う。(関東インカレでは)入賞できる自信はあったが、後輩2人に負けているので嬉しさよりは悔しさがあった。ジョグの時間を増やして、月間900km、多い時は1000km以上走っている。

 相澤が今まで4年間すごい走りをしてくれて、その中でやっぱり勝たせてあげられないというのはすごく不甲斐なく感じている。最後は相澤を勝たせて終わりたい。今まではメンバーに絡むこともできなかったので、最後はしっかり4年分の走りをしたい。

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