【あなたは何しに?】アラン・プロストも祝福。スイス人ジャーナリストが750戦目のF1取材を迎える

 アブダビGPの木曜日の夜、ヤス・マリーナ・サーキットのパドックを歩いていたら、レッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)がTシャツを持って歩いていた。かすかに『BRAZIL』という文字がプリントされているのが見えたので、「レッドブル・ホンダの勝利を記念したTシャツか!?」と思って、尋ねてみたら、「違うよ、ロジャーのF1取材750戦記念Tシャツだよ」と見せてくれた。

 ロジャーとは、スイスの新聞『Blick』紙のベテラン記者のロジャー・ブノワのことである。

 1949年1月13日生まれのブノワは、もうすぐ71歳。ブノワと同郷のスイス人のジャーナリストであるマティアス・ブルナーは、ブノワを次のように称える。

「750戦という数字だけでも偉大なのに、彼は70歳のいまも現役だということ。5年前の2014年に定年を迎えたが、会社は彼が仕事を続けることを認めたんだ。750戦は、彼がF1という世界だけでなく、所属する新聞社という会社に信頼されている証でもある。それは、だれにでも真似できることではない」(ブルナー)

 アブダビGPでブノワは、マルコやプロスト以外にも、仲の良いドライバーやチーム代表に750戦記念Tシャツをプレゼントしていた。そして、筆者に別れ際に「今回は限られた数しか持ってこなかったから、おまえには来年渡すよ」と言ってくれたブノワ。2020年に再会することを楽しみにしたい。

ロジャー・ブノワのF1取材750戦を讃えるTシャツを持ったレッドブルのヘルムート・マルコ博士
元F1チャンピオンのアラン・プロストも記念Tシャツを受け取る

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