新たに人骨3体発見 平戸・崎方公園調査 日本人男女か

今回の調査で見つかった墓穴と人骨の一部(平戸市提供)

 長崎県平戸市は16日、徳川家康の外交顧問、英国人ウィリアム・アダムス(日本名・三浦按針)の埋葬地とされる墓地がある崎方公園(同市大久保町)の本年度調査で、新たに三つの墓穴から日本人の男女とみられる人骨3体、副葬品の皿を発見したと発表。今後、これまでに出土した日本人と思われる8体と合わせ、按針との関係を調べる考え。
 市は2017年度と18年度の計約50日間、公園内6カ所を調べ、九つの墓穴から9体の人骨を見つけた。8体は埋葬法から日本人の可能性が高いが1体はDNA鑑定の結果、日本人に見られない塩基配列などからヨーロッパ人と断定した。
 最終年度となる本年度は、11月25日から按針を含めた外国人墓域の有無を調べるため、外国人の骨があった按針墓周辺の西側部分(縦約13メートル、横約2メートル)を発掘。28日に深さ約50センチの場所から三つの墓穴と計3体の頭蓋骨や歯、大腿(だいたい)骨などを発見した。
 12月15日に骨を取り上げた土井ケ浜遺跡・人類学ミュージアム(山口県)の松下孝幸館長によると、副葬品や座棺に座らせた状態の埋葬法などから江戸前期に葬られた日本人の可能性が高く、1体は骨の形状から初の女性と推測している。
 調査は25日に終了予定で、外国人墓地も文献などを基に引き続き調べる。

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