宮沢りえ主演88年実写版よりスケール&アクション↑↑ しかも社会派! アニメ『ぼくらの7日間戦争』

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『ぼくらの7日間戦争』©2019 宗田理・KADOKAWA/ぼくらの7日間戦争製作委員会

現代っ子たちが親に抵抗! のはずが社会問題に物申す!? 伝説のジュブナイル映画がアニメ化

映画『ぼくらの七日間戦争』が公開されたのは1988年のこと。トップアイドルだった宮沢りえの女優デビュー、しかも主演作として注目を集め、同世代の少年少女たちを中心に社会現象を巻き起こした。当時わずか15歳だった宮沢りえの瑞々しい可愛らしさはもちろん、TM NETWORKによる主題歌「SEVEN DAYS WAR」も映画の大ヒットに貢献し、ジュブナイル映画の金字塔として世代を超えて愛され続けている。

80年代後半と言えば、校舎内で暴れ回る“金八系”ヤンキーこそ珍しい存在になっていたものの、厳格化した校則だけが残ってしまったような状態で、学生たち(団塊Jr.世代)はおとなしく従うしかなかった。例えば、腕を水平に上げてセーラー服の裾から下着が見えたらアウト、セーラー服のリボンは10cm以上、スカートの裾は床上10cm、男子の詰襟の高さは5cm、変形制服なんてもってのほか……などなど非常に厳しく、毎朝風紀委員が定規を持ってクラスの服装チェックをしていたような時代である。

いま考えると狂気の沙汰だが、当時ほとんどの中高生は疑問を抱くことはなかった。だからこそ、88年版『ぼくらの七日間戦争』の登場人物たちが教師や校則と戦うことには意味があったのだ。『七日間戦争』を観て、人気絶頂のアイドルが厳しい学校やうるさい親を振り切って学校に立てこもり、戦車(!)を乗り回すような自由さに憧れた若者たちの中には、今では子を持つ親になった人も少なくないだろう。私たちはみんな、“盗んだバイクで走りたかった”けれど、できなかった若者たちだった。

SNSの中傷や外国人労働者問題まで社会の歪みに断固立ち向かう現代の若者たち

そして令和の元年に、『ぼくらの七日間戦争』はアニメ『ぼくらの7日間戦争』として生まれ変わった。

『ぼくらの7日間戦争』©2019 宗田理・KADOKAWA/ぼくらの7日間戦争製作委員会

とはいえ本作の登場人物たちが通う学校は、服装も自由だし校則もユルい。ということで、親の都合による引っ越しに反旗を翻し閉山した炭鉱に立てこもる……という小さな抵抗が物語の起点になる。親のクレジットカードで航空券を買って家出を偽装したりと、現代っ子たちはなかなか機転が効いていてニヤリとさせられるだろう。

『ぼくらの7日間戦争』©2019 宗田理・KADOKAWA/ぼくらの7日間戦争製作委員会

しかし、恵まれた若者たちの平和ボケした余興と鼻で笑うことなかれ。彼らの秘密基地となった炭鉱で、強制送還から逃がれてきたタイ人の少年と出会ったことで、ささやかな逃避行が社会問題へと発展。とはいえもちろんトラメガで開放を叫ぶなんてことはなく、SNSを活用して世界中に問題提起する様子がなんとも現代っ子らしいのだが。

『ぼくらの7日間戦争』©2019 宗田理・KADOKAWA/ぼくらの7日間戦争製作委員会

ルールや大人たちに反抗できなかった“かつての子どもたち”も立ち上がる

アニメ『ぼくらの7日間戦争』は、主人公たちに力を貸す大人たちの行動も印象的だ。子どもたちを強制的に排除しようとする側の中にも反対する者や、チャットを通じてタイ人少年の両親を捜索する協力者も現れる。閉じこもることで自由を訴えた88年版と比べて、本作の子どもたちは世界に対して非常にオープンだ。そして、実現性の薄い“子どもたちの立てこもり”という一種のファンタジー展開から逸脱させるために、彼らの行為を認め支える大人の存在をきちんと描き説得力を持たせている。

『ぼくらの7日間戦争』©2019 宗田理・KADOKAWA/ぼくらの7日間戦争製作委員会

注目の若手俳優・北村匠海と芳根京子が主人公たちの声を担当し、不器用で純粋な高校生を等身大で熱演。また、宮沢りえが30年の時を経て再び中山ひとみ役で特別出演しているのも嬉しいキャスティングだ。時代の変化をうまく取り入れた『7日間戦争』は、私たちが愛した『七日間戦争』をしっかりビルドアップし見応え充分の映画に仕上がっていた。

『ぼくらの7日間戦争』©2019 宗田理・KADOKAWA/ぼくらの7日間戦争製作委員会

『ぼくらの7日間戦争』は2019年12月13日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

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