石炭火力 環境対策 「世界最高レベル」 九電松浦発電所2号機 20日営業運転開始

20日に営業運転を開始する九州電力松浦発電所2号機(右奥)の建屋。手前は1号機の建屋=松浦市志佐町

 九州電力は16日、松浦市に建設中の松浦発電所2号機(石炭火力、出力100万キロワット)の工事完成を前に、報道陣に施設を公開した。20日から営業運転を開始する。
 2号機は2001年に着工したが、電力需要の鈍化で04年に中断。その後、東日本大震災による電力供給への不安や地元の強い要望で16年に工事を再開した。再開に当たって出力を70万キロワットから100万キロワットに変更。営業運転開始を19年12月に当初計画から半年前倒しし、工期短縮を図った。
 2号機は最新鋭の石炭火力技術で1号機に比べ、二酸化炭素(CO2)排出量を約5%削減。最新の環境設備で排煙中の硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじんを低減した。出力を15万キロワットまで下げられ、太陽光など再生可能エネルギーの出力変動にも柔軟に対応する。
 報道陣には建屋内のタービンと発電機(全長56メートル)などを公開。質疑応答では火力発電と地球温暖化に関する質問があり、日野雅貴・同発電所建設所副所長は「火力発電に対する批判はあるが、2号機は世界最高レベルの技術で環境対策を図っている。エネルギー全体の中で議論をしてもらえれば」と話した。

九州電力松浦発電所2号機のタービンと発電機=松浦市志佐町

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