子どもは「失敗」を恐れている…弟・妹の心を折るNGワードと発達障害児の特性とは

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いっぱい失敗してまた挑戦できるのは「自己肯定感」があるから

発達支援の事業所を運営している中で、日々感じることがあります。それは、子どもにとって、自己肯定感を高めることは、とても大切なことだということです。

自己肯定感を一言でいうと、「自分で自分を肯定する気持ち」であり、「自分は自分。これでいい」と自分で思うことができる気持ちです。子どもの発達を考える時、この自己肯定感は、育ちの基本となります。

大人から見れば無邪気でしたいことをしているように見える子どもですが、実は子どもも本能的に失敗を恐れます。「できないことができるようになる」ためには、恐怖を上回る「好奇心」と何度も挑戦する気持ちが必要になりますが、そのカギになるのが「自己肯定感の高さ」なのです。

今回は、子どもの発達において自己肯定感が大切な理由と、きょうだい児(弟・妹)の場合の注意点、さらには発達特性のあるお子さんにおける注目するべきポイントについてご紹介します。

好奇心の塊で怖い者知らずに見える子どもも、実は「怖がり」なんです

「失敗しても大丈夫」を支える「自己肯定感」

子どもは失敗をしながら発達していきます。

それは「自転車に乗ること」で考えると分かりやすいでしょう。自転車の練習では、幾度となく転びますが、その転ぶという失敗を繰り返すことで、やがてコツを掴み、転ばずに進んでいくことができるようになります。このように、子どもは失敗経験を積み重ねながら成長していくのですが、この時大切になるのが、「失敗しても、臆することなく、繰り返し挑戦する気持ち」です。

自転車の例では、失敗しても「自分にはできるという気持ち=自己肯定感」があるからこそ、何度転んでも最後まで諦めずに練習することにつながります。

弟や妹に「お姉ちゃん(お兄ちゃん)を見て」と言ってませんか?

このように、自己肯定感を高めて上げることは大切なことですが、きょうだい児(弟や妹)の場合は、保護者や大人の関わり方について少し注意点があります。

それは、「上の子と比較しない」ということです。

「下の子がこれから学ぶこと=上の子はすでにできていること」なので、上の子に比べると、下の子は一見劣っているように見えるかも知れませんが、これから経験を積んでいく段階なので、できなくて当たり前です。

つい、「お姉ちゃんを見てごらん」「お兄ちゃんはできているよ」と声をかけてしまうかも知れませんが、その言葉かけは、下の子にとって自信を失わせることにつながりかねませんので、注意しましょう。

下の子にも、上の子の時と同じように、失敗経験をさせながら「挑戦する気持ち」をもたせること、「何度も挑戦するうちに成功した」という体験をさせることを意識して関わってみてあげてください。

ADHDや自閉症スペクトラムなど発達に特性がある子どもは「成功体験」を積み重ねて

発達特性のある子は特に失敗が怖い…得意なことで成功体験を重ねて

発達特性のあるお子さんにおいても、同様に自己肯定感を高めてあげることは大切になります。しかし、この場合に留意しておくべきことがあります。

それは、発達特性のあるお子さんの場合、特に「失敗をとても怖がる傾向がある」と言う特徴があるため、何度も失敗経験が続かないように配慮する必要があるということです。

苦手意識のあることを繰り返しさせてしまうことで、失敗への恐怖感が増します。そうなると、自分に自信をなくしがちになり、やがて挑戦することを避けるようになってしまい、それがさらに「新しく挑戦することを避ける」ことにつながってしまいます。

その結果、できそうなことでも「自分にはできない」と考えてしまい、消極的になってしまうことにもなりかねません。

こういったリスクを避けるためには、まずは得意なこと、自信のあることから始めて、それを過剰なくらい繰り返しさせることがポイントになります。そして、そのできたことを認め、褒めるといった勇気づけを行うことで、「自分にもできた!」「やればできるんだ!」という気持ちを育てていってあげましょう。

そういった取り組みを繰り返し、やがてお子さんの中に芽生えてきた自信を、「苦手なことにも挑戦する、勇気に変えていく」ことが、自己肯定感を上げていくことにつながります。

まとめ
・自己肯定感を高めることは、子どもの育ちの基礎
・きょうだい児(弟・妹)の場合は「上の子と比較しない」
・発達特性のあるお子さんの自己肯定感を向上させるためには、失敗経験を積ませるのではなく、成功体験を多く取り入れ、成功体験で得た勇気を苦手なことにも挑戦することにつなげていきましょう。

◆西村 猛 理学療法士。神戸市総合療育センターで長年、肢体不自由児のリハビリを担当し、現在は株式会社ILLUMINATE代表取締役。発達障害の子どもの支援や学習支援、講演活動も行っている。