差別根絶条例意義学ぶ 制定表明の相模原市で講演会

条例の制定を広報する川崎市のホームページ

 全国で初めてヘイトスピーチに刑事罰を科す「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例(差別根絶条例)」をテーマにした講演会が22日、相模原市南区のユニコムプラザさがみはらで開かれる。条例によって「差別は犯罪」と規定された歴史的意義をヘイトスピーチの問題に詳しい師岡康子弁護士が解説。条文ごとの内容や課題を含め、同市をはじめとする他自治体での条例制定や国の法整備の必要性を学ぶ。

 相模原市も罰則の導入を視野に入れた条例の制定を表明していることから、川崎市に続く制定に弾みをつけようと市民団体「反差別相模原市民ネットワーク」が企画した。

 相模原市内では今春の市議選に極右政治団体「日本第一党」の候補者が出馬し、選挙演説に名を借りて在日外国人を排斥するヘイトスピーチが横行。2016年には障害者施設「県立津久井やまゆり園」(同市緑区)の入所者ら45人が殺傷されるヘイトクライム(差別に基づく犯罪)が起きているだけに市民の危機感は強く、田中俊策事務局長は「ヘイトスピーチは全国のどこでも問題。県や横浜市に波及させ、政府の法規制につなげるためにも相模原市が続くことが重要だ」との認識を示す。

 川崎市の差別根絶条例はあらゆる差別を禁止し、ヘイトスピーチを繰り返した人物・団体に最高50万円の罰金を科す。12日の市議会本会議で自民、共産、公明、みらい、チーム無所属の各会派と無所属議員の全会一致で可決、成立した。

 講演会は午後6時半からで、参加費500円(申し込み不要)。

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