「尾道城」の内部30年ぶり公開 老朽化で解体前に

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「城主」の人形やかごなどの展示物が残る尾道城内部
尾道城1階に残る、全国の城の位置を示したジオラマ

 尾道市は18日、老朽化のため解体が決まった千光寺山頂上付近の元博物館「尾道城」(同市三軒家町)の内部を公開した。1990年代に閉鎖されており、全国の城にまつわる展示などが約30年ぶりに確認された。

 鉄骨一部鉄筋4階建ての天守閣風の建物。基礎部分と一体化した1階には、全国の城の位置を示す大きなジオラマがあり、2、3階には城造りの技法を紹介するパネルや「城主」の人形などが残されていた。4階からは尾道水道や市中心部の街並みが一望できた。築55年を経た壁や天井には雨漏りの跡やひびもあった。

 施設は地元経済人が64年に観光振興を目的に建設。武具や古美術品を展示したほか、水族館があった時期もある。尾道には城下町だった歴史がないため、「誤った歴史を伝える」との声や、老朽化による安全面への懸念もあった。市は2017年、施設の解体と跡地への展望スペース整備を計画。18年に所有者から土地と建物の寄付を受けた。

 来年4月から本格的な解体に着手する。1階部分を残し、その上にウッドデッキを設けた展望スペースを21年度中に設ける予定。解体と合わせた総事業費は約2億円。市まちづくり推進課の渡辺千芳課長は「安全に配慮して工事を進め、新たな景観スポットとしたい」と話している。