長崎スポーツ この1年(3)高校野球 海星が国体準V 「全国で勝つ」浸透を

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県大会初戦敗退から始まり、最後は全国で快進撃を見せた海星高野球部=兵庫県西宮市、阪神甲子園球場

 高校野球は海星が秋の茨城国体で43年ぶりに準優勝を果たし、新チームの創成館が九州で4強入りして来春の選抜出場をほぼ確実にした。近年の長崎をリードする両校がそろって結果を出したと同時に、10月の県大会は大崎が決勝で創成館を破って58年ぶりにV奪回するなど、新たな風も吹いた1年だった。
 海星は昨秋、今春、夏前の県内主要大会すべて1点差で惜敗。その悔しさを本番の夏に晴らした。甲子園3回戦で常連校の八戸学院光星(青森)にサヨナラ負けしたが、国体準決勝で夏王者の履正社(大阪)を撃破。その約1年前、県の初戦で姿を消したチームが全国最後の公式戦の舞台に立ったことは称賛に値する。
 「不安要素」と言われながら地道に成長を重ねた投手陣に加えて、快進撃を支えたのが強打に足を絡めた攻撃力。“打高投低”時代の全国で打ち負けないことの必要性を県内他校に示した。
 ここ10年の夏の県大会で海星は優勝3回、準優勝3回、4強2回。昨年春夏連続で甲子園に出場した創成館と、県内では双璧となりつつある。その流れに今季、待ったをかけたのが大崎だった。
 選手育成に定評のある清水央彦監督が昨春から指揮を執り、2年目の今秋、県を制して創成館と九州大会へ出場。結果は延長の末に初戦敗退したが、攻守両面でハイレベルだった。地元も力強くチームを後押し。冬の間に順調に成長すれば、小さな島の県立校の初の甲子園、そこでの躍進も現実味を帯びてくる。
 敗戦後、清水監督は選手に言った。「余裕で勝てるくらいにならないと夏は県も取れない」。それはつまり、目線を上げろということでもある。確かに県を勝ち抜くのは難しい。ただ、そこをゴールに見据えるチームばかりでは、県高野連が目標とする「夏の全国初優勝」は夢物語に終わる。
 新たな強化策を講じる動きも県内一部で出ている。勝ち負けがすべてではないが「全国で勝つ」という意識が広く浸透して、長崎の競技力、競争力がさらに高まることを願いたい。