サッカー天皇杯準決勝 V長崎、国立行き挑戦 「鹿島を慌てさせる」

「クラブの歴史を変えたい。鹿島を慌てさせる準備はできている」と意気込むV長崎の手倉森監督=諫早市、なごみクラブハウス

 サッカーの第99回全日本選手権天皇杯は21日、準決勝の神戸-清水(ノエスタ・14時5分)と、鹿島-V・ファーレン長崎(カシマ・16時5分)が行われる。V長崎にとってはリーグ戦の苦戦を挽回できる今季最後のチャンス。大一番を前に手倉森監督が18日、囲み取材に応じ「クラブの歴史を変えたい。鹿島を慌てさせる準備はできている」と強い決意を語った。

◎「鹿島を慌てさせる」/手倉森監督・一問一答

 -クラブ初の4強入りを果たし、次は元日に新国立競技場で行われる決勝進出への期待が高まっている。
 クラブの歴史を変えたい。J2で12位だったチームが何を言っているんだと思うかもしれないが、天皇杯があるからこそワクワクしてもらえる。勝てばいいチームなんだと示せるはず。新国立に行くチャンスを長崎県民に届けたい。

 -11月24日にリーグ戦を終えて、1カ月近くがたつ。
 最終節から4日休んだ後、体を戻すトレーニング、フィジカル強化、そして鹿島対策を刷り込んできた。来季の契約があるなしにかかわらず、どの選手も意欲的に取り組んでいることが素晴らしい。

 -鹿島は国内外で20以上のタイトルを獲得している強敵だ。
 伝統の強さ、ゲーム内容が悪くても勝負に徹するしたたかさがある。ただ、今季はリーグ終盤に失速してJ1優勝を逃した。しぶとさが欠けている。長崎はいかにまとまって戦えるかが大事。鹿島の個は強いが、それに対して束で戦いたい。クラブ、チームだけじゃなくて、そこに県民の思いを組み込まなければいけない。苦しみ抜いて、タフな姿勢を見せたとき、喜びもひとしおだと思う。鹿島を慌てさせる準備はできている。

 -監督自ら鹿島を偵察して対策を練ってきた。
 組織的サッカーのイメージがあるけれど、結局は個々の判断力のところでチーム力が高まっている。パスワークだけでなく個人でもボールを運ぶ。それに対してマークとカバーを集団でやることと、一つ二つ遠いところでの準備が必要。こちらが繰り出すものはチーム全体の共通理解なしではできない。勝負のタイミングをしっかり見極めたい。なるべく90分で勝ちたいが、120分に持ち込めれば可能性も高まる。いずれにしろ、力を出し惜しみせずにやらなければ歓喜の瞬間は訪れない。

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