長期でコツコツ、王道の「ほったらかし投資」をやるべき10の理由

長期間、積立で少しずつ投資信託を買うだけの「ほったらかし投資」。ほったらかしでお金が増えてくれるなんて、誰もが夢見ることではないでしょうか。忙しくてもズボラでも続けられる投資でありながら、実は「長期」「積立」「分散」投資という、投資の王道をしっかりと押さえた本格的なやり方なのです。

今回は、そんなほったらかし投資をやるべき10の理由を紹介。お金を増やすためにも、ぜひチェックしてみてください。


理由1 日本経済、世界経済と連動してお金が勝手に増えていく

日本経済・世界経済は、スピードの差こそありますが、少しずつ成長しています。IMF(国際通貨基金)「世界経済見通し」によると、2019年の世界全体の経済成長率(実質GDP成長率)は3%(10月発表)と予測されています。2019年は少し下方修正されましたが、それでも3%ですし、2020年はやや上昇すると予想されています。

これから先、景気が一時的に落ち込むこともあるでしょう。しかし、それでも、人間の経済活動が続く限り、世界はだんだん豊かになると筆者は思います。

いいかえれば、そんな世界に投資をすれば、日本経済や世界経済の成長と連動しながらお金を増やせるだろう、というわけです。

理由2 複利効果で年4~8%も狙える

投資でぜひ生かしたいのが、複利の力です。複利は、元本に利息を加えた金額に対して、次の利息をつけること。つまり、長く続けるほど利息の額は増えることになります。

銀行の預金でも複利の力は働きますが、マイナス金利の影響で利息がごくわずかなので、お金を増やすことは望めません。

その点、投資信託では、得られた利益を再び投資に回すことで、複利の力を生み出します。複利効果を積極的に得るようにすれば、年4〜8%も狙えるでしょう。

筆者が監修した「月5000円からはじめる 最新!ほったらかし投資」(宝島社)では、厳選した投信や、ポートフォリオ例を紹介しています。

理由3 リスクが抑えられ、リターンのブレが小さくできる

投資では、リスクという言葉を「危険性」ではなく「得られるリターンのブレ幅」という意味で使います。

短期間の投資はリスクが大きく、リターンのブレ幅も大きくなってしまいます。

その点長期間の投資だと、リスクが抑えられるため、リターンのブレ幅が小さくなる傾向があります。金融庁の試算では、投資信託に20年投資した場合のリターンは年2%~8%。あくまで過去のデータですので、過信は禁物ですが、「長期」「分散」「積立」を組み合わせた「ほったらかし投資」であれば、お金を減らさず、堅実に増やせていけるでしょう。

理由4 リスクを自分でコントロールできる

投資信託は、いろいろな金融商品の詰め合わせパックのようなもの。中に何が入っているかで、リスクやリターンが変わります。投資信託を1本買っただけでも、数十から数百の金融商品を買ったのと同じような効果があるのですが、さらに複数の投資信託を組み合わせます。この組み合わせをポートフォリオといいます。

「6000本の投資信託で選ぶべき商品は一握り。勝利する極意は?」でも投資信託の見分け方についても解説してします。

「お金を大きく増やしたい」「ある程度守りながら増やしたい」など、投資の目標は人それぞれでしょう。そういった目標に合わせて自分で投資先を選ぶことができます。

理由5 自分のペースで無理なくできる

投資にはたくさんのお金が必要だと思っている方は多いのですが、そんなことはありません。投資信託は、金融機関によっては100円から買えます。ですから、今それほどお金に余裕がない人や、いきなり多額のお金を出すのは心配な人でも、気軽に始められるでしょう。

もっとも、100円だけ買って持っていても、お金はほとんど増えていきません。投資信託の利益は、買った金額に応じて受け取れるしくみだからです。ですから、決まったタイミングで買い増し、元本を大きく育てていく積立投資がおすすめです。

理由6 投資の敵「感情」を排してできる

投資信託でも株式投資でも、値動きのあるものを売買するときには、「もっと安く買えるかもしれない」「もっと高く売れるかもしれない」といった感情がつきものです。しかし、その思いどおりに値動きするとは限りません。安く買おうと思っていたのに値上がりしてしまったり、高く売ろうと思っていたのに値下がりしてしまったりして、損をすることもたくさんあります。

その点、ほったらかし投資なら、一度設定をすればそうした感情を挟まずに淡々と投資を続けられます。

理由7 値下がりすら味方にできる

ほったらかし投資では、たとえば毎月5000円、毎月3万円、などという具合に、毎月一定額ずつ投資します。

もちろん、途中で相場が落ち込むこともあると思いますが、投資信託を一定額ずつ買うと、その投資信託が安いときにはたくさん買い、高いときには少ししか買わなくなります。つまり、平均の購入金額が少しずつ下がるため、再び値上がりしたときに利益が出しやすくなるのです。ほったらかし投資は、値下がりすら味方にできる投資法だといえるでしょう。

理由8 老後資金を貯めるのにも向いている

ほったらかし投資は、時間をかければかけるほどメリットが大きくなると考えられる投資ですから、数十年かけて老後資金を貯めるのにもぴったりです。

さすがに、年金制度が崩壊することは考えにくいのですが、少子化が進めば、年金制度を支える現役世代の人数が減っていくため、もらえる年金の額が減っていく可能性は高いでしょう。長く働き続けて収入を増やすことも視野に入れ、自助努力で自分年金を築く必要があります。そのための手段のひとつとして投資信託は有効です。

理由9 iDeCo・つみたてNISAと相性がいい

ほったらかし投資と相性のいい制度に、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)とつみたてNISA(積立NISA・少額投資非課税制度)があります。普通、投資の利益には約20%の税金がかかります。しかし、これらの制度で投資信託を買うと、利益に税金がかからなくなります。

さらに、iDeCoでは、お金を出すときや受け取るときにも控除があるため、税金を安くすることもできます。

理由10 面倒くさい人でも忙しい人でも、初期設定をするだけでできる

ほったらかし投資は、(1)ルールを知る (2)商品を選ぶ (3)金融機関を選んで購入手続きをするという3ステップで、誰でもスタートできます。しかも、毎月いくら、どの商品を買うかといった簡単な初期設定をしておけば、あとは基本的にほったらかしOKです。ですから、投資が面倒くさい人にも忙しい人にもおすすめです。投資がスタートしたら、あとは淡々と購入していくだけ。値動きやタイミングを気にする必要はありません。

ほったらかし投資で大切なのは、時間を味方につけること。そして究極の極意は、一度設定したらあとは、「ほったらかし投資」をしていることを忘れること。

相場の波で一喜一憂しないことが長期で続けるコツです。長期でしっかりと資産運用をしていきましょう。

監修:頼藤太希

月5000円からはじめる 最新!ほったらかし投資

筆者が監修したムック『月5000円からはじめる 最新!ほったらかし投資』(宝島社)が発売。このムックでは、約6000本ある投資信託の中から厳選した投資信託18本や、ポートフォリオ例も紹介しています。「自分流ほったらかし投資」ができるようになる一冊です。

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