聖火スイマーの河本さん「原爆犠牲者思って泳ぐ」

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「日本泳法の魅力と平和への願いを発信したい」と語る河本さん

 2020年東京五輪の聖火リレーで、原爆ドーム(広島市中区)前の元安川を日本泳法で渡る神伝流広島游泳(ゆうえい)同志会理事、河本明子さん(50)=東区=が19日、広島県庁で記者会見した。被爆2世の河本さんは「原爆投下直後に多くの人が水を求めて集まった川で、戦争被害者、原爆犠牲者を思って泳ぎたい」と意気込みを語った。

 河本さんは小学生の頃に通っていた水泳教室で、神伝流の先生の泳ぎに憧れて同志会に入った。年初の元安川での恒例の寒中水泳大会にほぼ毎年参加している。「水と調和した美しい泳ぎ方」が魅力という。同志会が来年で結成100年を迎えることもあり「聖火スイマー」に選ばれた。

 来年5月18日の本番では原爆ドーム前で聖火を受け継ぎ、そばの雁木(がんぎ)から川へ。あおり足という技法で重さ1.2キロのトーチを持つ手と顔を水面から出し、約50メートル先の対岸まで泳ぎ切る。

 被爆した父や祖父母からは「川に入ったり、川の水を飲んだりして息絶えた人がたくさんいた」と聞かされてきたという。「私が泳ぐことで世界に平和を発信したい」と力を込めた。