ブラックホールの輪郭の撮影成功!『ブラックホールってすごいやつ』発売!

世界で初めてブラックホールの撮影に成功した、 国立天文台教授が、 摩訶不思議な<宇宙の謎>をユーモラスに解説。アインシュタインの予言から100年。 今年4月、 世界で初めて“ブラックホール"の撮影に成功し、 話題となった。撮影に成功したプロジェクトの日本のリーダー・ 本間希樹国立天文台教授が、 摩訶不思議な<宇宙の謎>をイラスト付きでユーモラスに解説した書籍『国立天文台教授が教える ブラックホールってすごいやつ』が12月18日扶桑社より発売。

ブラックホールのゲップが、 銀河をつくった!?、月に移住するなら、 おしっこを飲むのがマスト、宇宙人と世間話をするなら『数学』の話をしよう。など、 思わず人に話したくなる<宇宙のトリビア>が盛りだくさん。

アインシュタインは「ブラックホール反対派」だった

ブラックホールの元となる相対性理論の生みの親といえば、 アインシュタイン。でも、 実はアインシュタイン自身は「ブラックホールは数学上の産物にすぎない」「光も吸い込む天体なんて、 実在するわけない!」と思っていた。そんな想いを抱えていたからでしょうか、 1939 年にアインシュタインはひとつの論文を発表しますが、 そのなかでも、 「ブラックホールのような天体は存在するはずがない」と主張していた。

ブラックホールは、 たとえ数式の上では存在するとしても、 相対性理論を創り出した天才・アインシュタインでさえ、 すんなりと認めるわけにはいかないくらいにとんでもなく変な天体だっただ。世紀の天才・アインシュタインですらその存在を信じていなかった天体のため、 長い間、 多くの天文学者・物理学者たちの間でも、 「ブラックホール= 空想上の産物」という扱いをされていた。でも、 次第に研究が進み、 1960年代から次々とブラックホールの存在を示す証拠が発見されていく。そして、 2019 年4 月には、 世界いで初めてブラックホールの撮影に成功。その結果 、 ブラックホールの存在が確実なものとなった。

もし月に住むならおしっこを飲むのがマスト?

人類が、 どうしても月に住まなければならなくなった場合、 すべての人が覚悟しなければならないことがある。 それは、 自分のおしっこを飲むということ。月では水をどうやって確保するかが大問題。 だから、 月にいったら、 おしっこは非常に貴重な資源。 もしも外で立ちションしたら、 「なんでそんなもったいないことを……!」と本気で怒られる。 実際、 いま宇宙にいる宇宙飛行士は、 自分が出したおしっこを、 機械で蒸留・精製して、 水やコーヒー、 紅茶として再利用している。 いうなれば、 宇宙飛行士たちは自じ分たちのおしっこを飲みながら、 日夜地球の進歩のために、 頑張っているということ。 夜空を見上げたときは、 ぜひ彼らの努力に思いをはせてほしいものだ。

宇宙人と「会話」するなら数学の話をしよう!

宇宙ち人に会あったらどんな話はなしをすればよいか。文化や流行がちがうのでテレビの話は通じないし、 味覚もちがうはずなので食べ物の話も難しい。 コミュニケーション方法や生物学的な性別の形もちがうはずなので、 恋愛話が弾むとも思えない。でも多分通じるのが、 「数学」と「物理学」、 それに「音楽」の話題だ。

物理の法則は宇宙共通で、 それを理解する基本は数学。 宇宙の基本法則である相対性理論は、 数学を使って記述される。 高度な文明をもった宇宙人なら、 相対性理論もそれに必要な数学ももちろん理解しているはず。 宇宙共通の法則だからこそ、 理解度を比べれば文明レベルもある程度わかる。一方、 文化は宇宙人ごとにちがうはずですが、 文化的な話の中で通じる可能性があるのは「音楽」。なぜなら、 音楽の基礎は数学で、 リズムにも音階にも和音にも、 すべて数学的な裏づけがある。 もしかしたら宇宙人の音楽は、 意外に地球人のものに近いかもしれない。 「いつかは宇宙人と会話で盛り上がりたい!」と思っているなら、 いまから頑張って、 数学と物理学、 それに音楽を勉強しておくことを強くオススメ。

イラストを担当するのは吉田戦車

この他にも本書ではブラックホールや宇宙に関する「宇宙のなぞ」をご紹介。 全ページオールカラーかつ約70点のイラスト付きで、 専門知識のない大人も子供も楽しめる。イラストを手がけたのは、 不条理ギャグマンガの金字塔『伝染るんです。 』 作者・吉田戦車。 巨匠が描く、 シュールな宇宙人たちも見逃せません。 全漢字にふりがな付きなので、 小学生でも読むことができる。 話題になった巨大ブラックホールの写真も収録。 ブラックホールや宇宙の神秘を身近に感じられる1冊。

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