反響を呼んだアンケート結果の第2弾
今回の調査は、2017年3月に公表した「高齢者運転事故と防止対策」の第2回目の調査として、主に高齢者ドライバーの自動車運転や運転免許証の自主返納における実態と意識の変化を明らかにするために実施したものだ。
クルマが無いと不便になる高齢者も多数存在
この調査では自動車運転に対する自信は高齢になるほど高くなるものの、2017年の調査結果に比べて全般的に低くなっていることが分かった。
また運転免許証の返納を検討したことがある回答者の割合は、高齢になるほど高くなる。特に女性は、その傾向が顕著である。返納を検討するきっかけとして半数以上が「高齢者による重大事故のニュースを耳にした」ことを挙げた。
さらに運転免許証の返納を検討したが返納しなかった理由は、「他の移動手段もあるが不便なため」が半数に上っており、「高齢者向けの安全運転支援機能付き自動車を前提とした免許証」があれば、それを取得して自動車運転を続けたいと考える高齢者もは多数いることが判明した。
他の高齢者による重大事故や運転技術の低下は免許返納のきっかけに
次に運転免許証の返納には「自主的に返納(自主返納)」するケースと、「あえて免許証の更新をしない(非更新)」ケースの2つがあり、あえて更新をしない人は約3割存在していることが判明。
また運転免許証を保有しなくなった理由は、「運転をする必要がなくなった」および「運転をしていなかった(ペーパードライバー)」が合わせて約半数になったが、高齢になるにつれて「運転技術の低下を実感した」、「高齢者による重大事故のニュースを耳にした」および「家族の勧めがあった」といった理由が増加している。
免許返納で心や体にゆとりも
運転免許証を保有しなくなったことについて「不便を感じていない」と回答した人は、半数を超えており、運転免許証を保有しなくなった主なメリットは「事故を起こす心配がなくなった」ことと、「車の維持費などの移動にかかる費用が安くなった」である。そして4人に1人が「運動量が増えて健康になった」と回答している。運転免許証を保有しなくなることは心理的、経済的効果に加えて、健康面でのメリットもあることが判明した。