外国人学校も適用を 日弁連、幼保無償化排除で声明

日弁連のホームページに掲載された会長声明

 10月に始まった幼児教育・保育の無償化から朝鮮学校幼稚園をはじめとする外国人学校が排除されている問題で、日弁連(菊地裕太郎会長)は20日、外国人学校を無償化の対象にするよう求める会長声明を出した。

 対象に含めることが「全ての子どもが健やかに成長するように支援する」制度の理念にかない、排除は「憲法14条、自由権規約、社会権規約、人種差別撤廃条約、子どもの権利条約などが禁止する差別的取り扱いに該当するおそれがある」と指摘している。適用までの間は無償化制度と同様の支援を行うことも求めている。

 政府は消費増税分を財源に約5万5千施設を無償化の対象としたが、約90ある各種学校認可の外国人学校の幼稚園については「各種学校は多種多様な教育を行っており、幼児教育の質が担保されていない」との理由で除外。半数近くの40施設を朝鮮学校幼稚園が占めており、保護者や学校関係者らからは「朝鮮学校差別」との声が上がる。

 神奈川県内の鶴見朝鮮幼稚園、川崎朝鮮初級学校、南武朝鮮初級学校の付属幼稚園の保護者らは横浜と川崎の両市に、国に対する是正の働き掛けと独自の救済措置の実施を求めている。

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