長崎スポーツ この1年(5) 茨城国体26位に浮上 ソフトなど団体躍進

初優勝を決めて喜ぶソフトボール成年男子のメンバー=茨城県常陸太田市、白羽スポーツ広場

 V字回復に「チーム長崎」の意地が見えた。9~10月に茨城県で行われた第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」で、長崎県は天皇杯(男女総合)903点で26位に躍進。725点で41位に沈んだ昨年から盛り返した。県全体で危機感を持って進めた取り組みが結果となって表れた。
 入賞数は成年男子と少年女子が優勝、少年男子が準優勝したソフトボールを筆頭に、20競技46種目。数は昨年の16競技46種目と変わらないが、団体の競技別得点が大幅に伸びた。昨年の182点から、約2倍となる370.5点を稼いだ。
 このうち、ソフトボール勢が加算した得点は約半分の184点。この好成績は「偶然ではない」と関係者が胸を張るように、日々の積み重ねによる必然でもあった。小、中学生から活動は盛んで、高校は全国トップレベルのチームが複数存在。国体はそのライバル校が一丸となって最強チームを編成する。
 成年は地元の社会人チームを母体に、日本代表クラスの大学生が県外から合流。彼らが地元に集まり、ジュニアを指導するイベントも開催するなど、各世代で高いレベルを保つ手を地道に続けている。まさに競技団体の勝利だった。
 団体はこのほか、準優勝した剣道少年女子、3、4位に入ったバドミントン少年男女などの健闘が目立った。一方、個人競技の得点は伸びなかった。41位だった昨年よりも10.5点減の132.5点にとどまった。
 優勝2人をはじめ、上位入賞者が相次いだ陸上勢が55点を獲得したものの、これまで安定して得点を積んでいたライフル射撃、カヌー勢などが結果を出せなかった。いずれも国体を重視して強化を続けている団体だけに、来年以降の巻き返しを期待したい。
 今年、ワールドカップが日本開催されたラグビーがいい例だが、日本代表が活躍すれば、競技の注目度は上がる。それは県代表にも置き換えられるだろう。国体県代表の強化、普及をメインに据えて、競技全体、ひいてはスポーツ全体の発展につなげてもらいたい。

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