伝説の音楽番組「MERRY X'MAS SHOW」こんな番組2度とできない! '87 - ② 1987年 12月24日 伝説の音楽番組「MERRY X'MAS SHOW」87年版が日本テレビ系列で放送された日

前年以上の仕上がり、洋楽と邦楽の名曲をマッシュアップ!

数回に分けて紹介させてもらっている、1986年と1987年のクリスマスイブに日本テレビ系列で放送された伝説の音楽番組『MERRY X'MAS SHOW』―― 前回の『伝説の音楽番組「MERRY X'MAS SHOW」こんな番組2度とできない! '87 - ① 』に引き続き、今回は1987年放送分の2回目です。

番組では16曲のセッションが披露されていますが、今回のコラムでまず紹介したいのは、大好評だったマッシュアップ・シリーズからの2曲です。この番組ならではアレンジで、洋楽と邦楽の名曲をこの年も見事なまでにミックスしてくれました。前年同様、いや前年以上の仕上がりで、観終わった後の感動はちょっと言葉では言い表せないほどでした。

ストーンズからの敏いとうとハッピー&ブルー、魅せるは Char とカールスモーキー石井

1曲目は「JUMPIN' JACK FLASH ~ 星降る街角 - Dedicate to ROLLING STONES」。

これは、ローリング・ストーンズの「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」と、敏いとうとハッピー&ブルーの「星降る街角」のマッシュアップです。僕の尊敬するギタリスト Char がストーンズを担当。楽器演奏からコーラスまで全てを一人で行なっています。そこから続くようにカールスモーキー石井が登場し、これまた見事に「星降る街角」を歌い上げていきます。とにかくアレンジが秀逸で、観終わった時は感動と… 笑いに包まれてしまいました。涙と鼻水が出まくったセッション。やっぱりシュークリームシュは最高だぜ!

ジェームズ・ブラウンからの北島三郎、黒いサングラスで歌う鈴木雅之と桜井賢

2曲目も感動と笑いのマッシュアップ、「I FEEL GOOD ~ 函館の女 - Dedicate to JAMES BROWN」。

1986年に「別れても好きな人 - Dedicate to SANTANA」を披露したゴールデンコンビ・鈴木雅之と桜井賢が、ジェームス・ブラウンの「アイ・フィール・グッド」と北島三郎「函館の女」で再演を果たします。このセッションも、「しかし、まあ~」と、感心してしまう見事なアレンジ。黒いサングラスの二人がこのままユニット組んで音楽活動して欲しい… 僕は当時真剣にそう願っていました。

ユーミンと桑田佳祐、番組発のクリスマスソング「Kissin' Christmas(クリスマスだからじゃない)」

さて、4回に渡って紹介させてもらった『MERRY X'MAS SHOW』ですが、最後に紹介したい曲はもちろん「Kissin' Christmas(クリスマスだからじゃない)」。

同曲は、この番組のために書かれた楽曲で、作詞が松任谷由実、作曲が桑田佳祐、編曲が KUWATA BAND。1986年、1987年共に、番組の最後に出演者全員で歌われた幻のクリスマスソングです。

番組内でレコードにはしないと宣言されたために、レコード化、CD 化はされていませんでしたが、2012年7月18日発売の桑田佳祐のベストアルバム『I LOVE YOU -now&forever-』に初収録されました。幻の曲をいつでも聴くことができるようになったことは実に嬉しい。

この番組の制作会社であったフルハウスには制作費が嵩んで倒産寸前に追い込まれたという話があったほど…『MERRY X'MAS SHOW』、やはり凄い番組だったと思います。今の時代で制作するのは難しい、古き良き時代のお宝ですね。

■ MERRY X'MAS SHOW(1987年12月24日放送)
スタジオ出演
明石家さんま(司会)
KUWATA BAND(桑田佳祐、河内淳一、今野多久郎、琢磨仁、小島良喜、松田弘)/ 松任谷由実 / アン・ルイス / 吉川晃司 / 小林克也 / 鈴木雅之 / 鈴木聖美 / 中村雅俊 / Char / DEKAPAN(依田稔) / 泉谷しげる / 小泉今日子 / 高中正義
VTR 出演
忌野清志郎 / THE ALFEE(坂崎幸之助、桜井賢)/ 山下洋輔 / 石橋凌 / 三宅裕司 / 小倉久寛 / スーパー・エキセントリック・シアター / 米米CLUB / SUE CREAM SUE / バービーボーイズ / 爆風スランプ / 古舘伊知郎 / 前田亘輝 / 渡辺美里 / 新田一郎 / 青山未央

※2018年12月22日に掲載された記事をアップデート

カタリベ: 藤澤一雅

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