サインツJr.、スタッフの負担を懸念しF1カレンダー拡大に反対。FIA会長も現状維持を望む

 カルロス・サインツJr.は、F1経営陣がカレンダー上のレース開催数を増やそうとしているやり方に、今も完全に反対の立場であることを認めた。

 来シーズンはレース数が増加し、初めてその数が22戦となる。なお2009年はたった17戦で成り立っていた。

 2020年はレース数が増加するかわりにグランプリの週末の活動日程が3日間に短縮されるものの、サインツJr.は22戦は多すぎると考えている。メディア対応と車検は、金曜日のフリー走行の前に行なわれる予定だ。

『Crash.net』によるとサインツJr.は、「個人的には、F1が大きなインパクトを与えるような場所へ行き、F1で1週間を過ごせるような感じが好きなんだ」と説明したという。

「日程を縮めたところで、22戦や将来増やそうとしている25戦を行なうのでは、完全に負担を相殺することはできない。それでもまだ移動が多すぎるし、メカニックの負担も大きすぎる」とサインツJr.は続けた。

「こうしたことが、僕が完全に反対しているカレンダー拡大に向けての準備の仕方みたいだね」とサインツJr.は付け加えた。

 カレンダーに追加された最新のレースは、4月に初開催となるベトナムGPと、その翌月に歴史あるドイツGPと入れ替えで復帰する、ザントフォールトでのオランダGPだ。

 F1のCEOを務めるチェイス・キャリーは、いずれかの時点でアメリカでのふたつ目のグランプリをカレンダーに追加することを、今も望んでいると話した。

「マイアミではまだ解決すべきいくつかの問題がある。おそらく問題は現時点では主に政治的なものであり、先月には現地で何度か話し合いや動きが見られた」とキャリーは『CNN』に語った。

 アメリカでのふたつ目のレースによって、現在テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されているレースが犠牲になることはないと、キャリーは付け加えた。

「これがオースティンの他に追加するものになることは明らかだ」とキャリーは語る。

「アメリカは十分に大きく幅広い市場であり、成長が見られる。ふたつのレースを開催することで、実際に双方のレースを強力なものにできるだろうと考えている」

 FIA会長のジャン・トッドは、近い将来はレース数を22戦で安定させることを望んでいる。つまりマイアミでのレースが実現すると、他のサーキットが脱落することになる。

「現時点では22戦に集中すべきだ。25戦に近づけるには、長いプロセスになると思う」とトッドは『Motorsport-Magazin.com』に語った。

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