わがまち回顧 南島原支局 政治家の逮捕に ため息

南島原市議の逮捕で、議会事務局から押収した資料を運び出す県警捜査員=10月30日、南島原市役所有家庁舎

 南島原市内の大規模太陽光発電所(メガソーラー)事業を巡り、収賄(賄賂要求)と恐喝未遂の疑いで、現職市議だった下田利春容疑者(69)が10月に逮捕。その後、起訴された。同市では2014年に現職市長=当時=らによる官製談合事件が起きたばかり。相次ぐ逮捕劇に市民からはため息が漏れた。
 起訴状などによると、下田被告は17年5月、発電事業用に市有地の払い下げを希望する業者に対し、市有地に隣接する自身の土地に調整池を設け、賃料として6千万円相当の現金を支払うように要求。応じなければ「市議会で反対して事業計画をつぶす」などと脅し市議会で便宜を図る見返りに賄賂を求めたとされる。下田被告の弁護人は起訴内容を全面否認。法廷で違法性の有無を争う構えだ。
 下田被告は12月20日、「一身上の都合」を理由に議長宛に辞職願を提出。市議会は全会一致で承認した。ただ、9月定例会以降、議員活動を停止した被告には、月額報酬約34万円と、期末手当約67万円が支払われた。市議会は、長期にわたって欠席した場合の議員報酬の在り方を検討課題とすることで一致している。

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