早岐瀬戸遺跡の歴史学ぶ 波佐見焼の器 古銭など出土 長崎県埋蔵文化財センターが発掘調査説明会

県埋蔵文化財センター職員(左)から説明を受ける参加者ら=佐世保市、早岐瀬戸遺跡

 長崎県埋蔵文化財センターは21日、江戸時代の町家跡や大量の陶磁器などが見つかった佐世保市早岐2丁目の早岐瀬戸遺跡で発掘調査の説明会を開き、地元住民が古里の歴史や先人の暮らしに触れた。
 センターによると、早岐瀬戸に面する遺跡は、古くから水陸交通の要衝だった。現在の早岐茶市につながる商業活動のほか、周辺に肥前陶磁器の積み出し港があったと考えられている。
 遺跡は早岐川の改修工事でなくなるため、同センターは今年秋から記録保存の発掘調査を開始。調査が進んだ約730平方メートルの敷地からは建物の礎部分や側溝、波佐見焼の器、古銭などが出土したほか、大火事の跡も見つかり、かつての様子を伝えている。
 説明会は2回開き、午前の部には約70人が参加。センター職員が調査で分かったことを解説した。参加した同市早岐1丁目の横尾英彦さん(82)は「多くの発見に驚いた。古里の歴史を振り返るいい機会となった」と笑顔で話した。

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