変化するスノーリゾート・白馬 “グランピング”に“高級宿泊施設” ターゲットは外国人に富裕層 長野

海外からの訪れる人が増えた長野県白馬村で、富裕層を狙った新たな企画が相次いで始まります「非日常」が楽しめるユニークな“ディナーツアー”や、“VIPラウンジ”など「国内初」を謳う特別なサービスといった付加価値で誘客を目指します。

ことしもスキーシーズン到来。白馬村の八方尾根スキー場は多くのスキーヤーでにぎわっています。営業時間終了後、「スキー以外の冬の楽しみ方」が、今年新たに加わります。

(記者リポート)

「リフトを降りた後はスキーやスノボではなく、こちらの施設でディナーコースを楽しみます」

ゲレンデで焚き火を囲んで景色とお酒を楽しむ人たち。場所は、北アルプスを望む標高1200メートルの「北尾根高原」です。八方尾根開発がきょう20日から始める「グランピングディナーツアー」で、先日、体験会が開かれました。

八方尾根開発・倉田保緒代表取締役:

「(私たちは)恵まれた山を持っている。雪質、パウダースノー、ゲレンデの大きさ等を本当にありがたい財産だと思っている。さらに新しいサービスができるようになろうとこの商品にあえてチャレンジしている」

冬だけでなく、一年を通した誘客を図る八方尾根では、この夏、グランピング施設が完成し、グリーンシーズン限定で営業しました。そして、冬場の新たな誘客として企画されたのが今回のツアーです。ゲレンデのレストランで提供されるディナーは、信州牛フィレ肉のグリルなど県産の食材を使った5品のコースで、県産ワインも味わえます。

(記者リポート)

「それでは信州牛のグリルをいただきます。噛むたびに牛の旨みが口の中に広がって、赤ワインとの相性もぴったりで、美味しさが引き立ちます」

都会の人たちなど国内からだけじゃなく、最近増えている海外からの観光客がターゲットです。

体験会に参加した外国人は…。

オーストラリア人:

「素晴らしい!美しい景色も最高だし、料理も最高」

「特別な気がする、非日常で。結婚記念日や誕生日のイベントに最高」

ゲレンデで焚き火を囲んでデザートを味わい、ディナーは終了です。これから雪が増えれば、雪上車に乗って下山することができるということです。

八方尾根開発・倉田保緒代表取締役:

「富裕層の方もたくさんいらっしゃる。そういう方には格好の商品としておすすめしたい。日常では体験できない大雪原の中で、焚き火を囲んでお酒を飲んだり音楽を聴いたり、非日常の空間を満喫していただければ」

「非日常」を楽しめるグランピングディナーツアー。3月中旬頃まで開催される予定です。

一方、こちらは、ソファやコタツが置かれたスキー場のラウンジ。

(リポート)

「ゆったりくつろげるスペースになっていて、ジュースやお酒のほかパンなど軽食も楽しめるようになっています」

白馬岩岳スノーフィールドでは、今シーズン、大人1人、1万5000円の新たなサービス「ハクバ エスクラス」を始めます。3つあるラウンジが自由に利用できメインラウンジでは、ワインや日本酒を飲みながら食事を楽しむことができます。またゴンドラへの優先搭乗もできます。こちらもターゲットは、富裕層の外国人客。サービスの差別化で収益を上げ経営基盤を強化する方針です。

白馬観光開発・和田寛社長:

「サービスの差別化をやらせてもらって、しっかり経営する。新しいサービスにトライして見えてくるものがあるのではと思っている」

麓ではスキー場が手掛ける2軒の高級宿泊施設もオープンします。一つは北欧スタイルの複合宿泊施設の「ハルタ」。薬石が置かれた温浴施設も備えています。また、去年、壱番館と弐番館が開業した高級古民家リゾート「旅籠丸八」では、先日、明治時代に建てられた土蔵を改装した「参番館」がオープンしました。

白馬観光開発・和田寛社長::

「世界水準のオールシーズンのマウンテンリゾートを岩岳だけじゃなく白馬バレー全体で狙っていく」

「スキー場」から「スノーリゾート」へ。白馬エリアではサービスの多様化や差別化で新たな集客を図る動きが活発化しています。

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